第2回
『ブロードバンド』ってどうゆう意味なんやろ? |
| 鈴村 瞬 |
| ■とある日の日馬プレス編集室での出来事 |
生粋の大阪人で才媛の誉れ高いJ女史が、前回の記事を読み、そもそもブロードバンドって何ですか、と小生を問いただした。そのとき小生ブツブツ言いながら考え事をしていたのだが、唐突な問いに、しどろもどろになってこたえられない。すかさず「それはですね」と編集部の重鎮M氏がかわりにこたえる。M氏の解説は、ブロードバンドから、ダイナミックIP、そしてIPとは何か、淡々とそしてよどみなく続いた。的確な比喩、簡潔な論理、拙文と比してよっぽどわかりやすい。小生、居心地悪さにそそくさとその場を離れ、本棚で本を探すふりをして聞き耳をたてた。
そうなんだ。そもそも「ブロードバンドって何ですか?」という人は少なくないのか。完全にノーマークであった。
Jさんの問いは常に根元的で、そこが女史の端倪すべからざるところ。そこでJさんに、前回の記事の質問を書き出してもらった。しかもリアリティを求め関西弁でお願いした。しかし、そこは大阪人、頼みもしないのに「50歳ぐらいのおばちゃん」の大阪弁で、しかも「50歳ぐらいのおばちゃん」からのファンレターという設定ときた。やはり浪速っ子はちがう。さすがにファンレターの部分だけは割愛させていただいた。それでは一所懸命、的確かつ簡潔に、おこたえしたい。 |
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| ■質問 その一 |
| まずな、『ブロードバンド』ってどうゆう意味なんやろ?? 『ダイヤルアップ』よりスピードが速くて、しかも割安っていうイメージがあるねんけど、基本的な違いや仕組みってなんなんやろう?? ウチはお父ちゃんが申し込まはったから、『TM
Net』さんの『Streamyx』を使ってんねんけど、以前のダイヤルアップに比べると接続にかかる時間は早いし、ナンボ使っても値段が変わらんのが嬉しいだけや。もっと仕組みがわかったら、色々節約にも役立つし、近所の奥さんにもオススメしたいねんけどなぁ。 |
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| ■「ブロードバンド」の意味 |
| それではおこたえしましょう。ブロードは広い、バンドは帯域、つまりブロードバンドとは広い帯域のことです。水道管をイメージしてほしいのですが、太い管ほど流れる水量は多いはず。情報通信もこれと同様で、広い帯域を使った方が、単位時間あたり、より多くの情報をやりとりすることができます。そこから意味がひろがって、現状はブロードバンドというと、高速なインターネット接続サービスのことをいいます。ちなみにブロードバンドにたいし、ナローバンドという言葉もあります。これは、ナロー、すなわち、狭いわけだから、細い水道管が頭の中に浮かんできますよね。 |
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| ■「ブロードバンド」の仕組み |
ここからはマレーシアで一番利用者の多いブロードバンド、Streamyxを想定して説明します。StreamyxではTM
Netのコンピューターと契約した人のコンピューターが電気信号をやりとりします。このとき既存の電話回線を利用します。ただし通話では使わない周波数帯を使います。そのため特別なモデムが必要になります。それが、ADSLモデムと呼ばれるものです。話は横道にそれますが、マレーシアで一番有名なADSLモデムメーカーはAztech、その次がD-linkでしょう。言っちゃ悪いが、ともに日本ではあまり見かけないメーカーです。ADSLモデムは日本だったらレンタルする場合が多いのですが、当地マレーシアでは、購入する人が少なくありません。また、PCショップでも色々なモデムを熱心に販売しています。
閑話休題。ADSLモデムで電気信号のやりとりをすると書きましたが、このとき、コンピュータ同士が通信を行ううえで、互いが理解できる約束事が必要になります。言いかえるとコンピュータ同士が通信するための言語のようなものが必要になります。これをプロトコルといいます。Streamyxのような電話線を利用した高速データ通信の場合(一言でいうとADSLですね)、PPPoEとPPPoAが代表的なプロトコルです。それでは質問です。PPPoAに対応したADSLモデムを買ってきて、PPPoE用のプログラムで、インターネットに接続しようとするとどうなるでしょうか? 簡単ですね。プロトコル(言葉)が異なるのだから通信(会話)は成立しません。まれに、プロトコルの異なる組合せで、モデムを買ってしまう場合があるので注意しましょう。とくにMacintoshの場合は要注意ですね。よくわからない場合はPPPoEに対応したモデムを買うのが一番無難です。Streamyxのウェブサイトに対応表がのっているで調べてから買いましょう。URLはこちら。
http://isp.tm.net.my/html/htm/product_streamyx/streamyx_modem_list.htm
ところでまたまた横道にそれますが、日本であれば、PPPoEならNTT、PPPoAであればイー・アクセス、そのどちらでもないものとしてYahoo!BBが有名です。小生、日本にいるときは、アッカという会社と契約していたのですが、ちょうど日本でブロードバンドが普及しはじめたころ(そのころは初期費用だけで三万円以上しました)、アッカはPPPoEと思いこみ、家庭内ネットワークがうまくいかなくて途方にくれたことがありました。当時アッカのプロトコルはPPPoAだったわけです。余談ですがアッカはその後、両方に対応しました。 |
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| ■「ブロードバンド」のメリット |
それはさておき、本題に戻りましょう。ブロードバンドは、ダイヤルアップにくらべて何が得か考えてみます。
ダイヤルアップの場合、インターネット接続で使う帯域が通話で使う帯域と重なるので、両方同時に行うことはできません。それに対して、ブロードバンドでは、高速通信のために通話で使うような低速な帯域は使用しないため、通話とデータ通信が同時に可能になります。Streamyxでインターネットをしていても、電話を受けることもできるし、逆にかけることもできます。
もう一つは、音声や動画などの大きなデータをやりとりするのに、十分な速さがあるということです。日本のプロ野球の試合はインターネットラジオで生中継される場合が多くなってきました。Streamyxの通信速度であれば、このとき音が途切れたりするようなことはありません。昨年は、日本のアマチュアスポーツの華、高校野球の生中継を動画で見ることができました。画像は少々荒いものの十分見るに堪えうる画質でした。残念ながら、わが家のStreamyxではマツケンサンバは、音声は問題ないのですが、動画がコマ送りになってしまいます。マツケンサンバはちょっと情報量が多すぎのようですね。
さらにもう一つ。インターネット接続を複数のPCで共有することも現実的になってきます。この場合、個人的には、ルーターと呼ばれるネットワーク機器を利用するのがおすすめ。ルーターは、複数のネットワークを中継する機器で、値段もRM200あればいろいろなものがあります。
もう少し具体的に説明すると、ADSLモデムを介しブロードバンド経由でつながっているネットワークと家庭内のネットワークを結びつけるルーターをブロードバンドルーターと言いますが、そこで質問。このブロードバンドルーターは何と何の間に設置するでしょう? これも簡単ですね。ADSLモデムとPCの間に設置します。つなぐ際はLANケーブルを用います。実はこのブロードバンドルーターを用いると、PCをADSLモデムにダイレクトにつなぐよりも色々メリットがあるのです。まず、複数のPCでインターネット接続を共有することが容易になります。そして、多くの場合、セキュリティと接続速度が向上します。かれこれ六、七年前はこのルーターは、かなり高価でした。万札が四枚だったらやすい方。しかもごっつくて重かった。それが今じゃ、エステ一回分の値段。下手したらエステよりもやすいかもしれません。加えて、小型軽量。片手でヒョイヒョイ持ち上げることができます。このルーター、高機能になると無線で接続できるものもあります。 |
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| ■会議は踊る、されど進まず |
| 質問はその二、その三、その四と続くのですが、とうとう紙面が尽きてしまいました。残りはまたの機会ということで。 |
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| ■補足 |
これはAztechのADSLモデムDSL600E。最近ショップの店頭でやたらと目にする。PPPoE対応。お値段はRM160ぐらい。「Aztech
DSL600E also provides future proof functionality with higher
data transmission rates with ADSL2, ADSL2+, Extended Reach-ADSL
support」ということなので、現状の1Mbpsよりも高速な通信にも対応するらしい。ということは、今年あたりStreamyxはもっとはやくなるということ?
ネットワーク機器は、Aztech、D-Link、NETGEARがマレーシアでの御三家。NETGEARのHUBをその昔秋葉原で買ったっけ。それはいいとして、最近、日本のPCIの製品が目につくようになっきた。店員にとにかく安いのといったら、一押しだったのがこのPCIのルーター。お値段はRM129ぐらい。安いだけでなく、小生が調べた限り、マレーシアで売っているルーターの中では最軽量。日本製だが、ウェブから設定するときは、中国語だったりする。 |
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