第4回
PCバッテリーよもやま話
鈴村 瞬
 【横浜でのコンセント事情】
 小生は、昔から喫茶店が大好きである。学生のときから、コーヒーだけでなく、食事、読書、勉強などなど、喫茶店には大変お世話になったきた。特にひいきにしていたのは、某チェーン店である。なぜなら、コーヒーがおいしくて安く、しかも長居してもイヤな顔をされなかったからだ。
 横浜は関内の、その某チェーン店で事件は発生した。とある仕事に追われ、小生、ノートパソコンで黙々と作業をしていた。おいしいコーヒーと親指シフトノートパソコン、最高の組合せである。スイスイと作業がすすむ。しかしバッテリーが残り少ない。あきらめて、作業を終了すれば良いのだけれど、欲をだして、がんばってしまった。バッテリーはほとんどない。直に、強制的にスリープしそうである。そのとき、あることに気づいた。足下にコンセントがあるではないか。これは何という偶然か。偶然と言っても、これは意味のある偶然に違いない。そう思うやいなや、ちょいと失敬、体を折り曲げACアダプターをコンセントに差し込んだ。そして、再び作業に戻ろうと、体を起こした瞬間、店員と目と目があった。店員はうっすら笑っている。ドキリとした。先程までの慇懃な態度はなく、親の敵にでも会ったような雰囲気である。つかつかとテーブルに歩いてきて「お客さんね」と言うなり、怒られた。自分としては、これから使おうと思っていたところであって、まだ実質使っていないので云々と、弁解したかったのだけれど、その余地はなし。すみません、ごめんなさい、を繰り返し、ノーガード戦法で受けてたつも、時すでに遅し。頭をたれ、子犬のごとく従順の意を示すのが精一杯。最後は、子犬がきゃんきゃん鳴きながら逃げるように、店を後にした。
 当然ではあるが、日本ではコンセントを自由に使ってはいけないのである。少なくとも、店員に確認することが必要だ。使って良い店も時にはあるが、経験からいうと、そういう店はまれである。
 
 【マレーシアでのコンセント事情】
 それに対し、喫茶店にコンセントがあったとき、それは自由に使ってもよいと言うのが当地マレーシアだ。店員にことわる必要もない。これはレストランでも当てはまるように思う。もちろん、勝手にコンセントを使われることをいやがる店も中にはいる。そういう店は、客席の近くにコンセントを設置しないし、設置したとしても通電させない。マレーシアのコーヒーチェーンでは、たとえば、Starbucks CoffeeとGloria Jean's Coffeesは、コンセントを使っても良いようだ。それに対して、Coffee BeanやSanfrancisco Coffeeは、コンセントが店内にない場合が多く、あっても、電気が通っていなかったりする。
 
 【外付けバッテリー】
 モバイラーにとって、電源をどう確保するのかは重要である。ACアダプターを持ち歩くほかに、少しかさばるが外付けのバッテリーを携帯する手もある。ちょっとした旅行をするときは、小生は必ずもち歩くことにしている。外付けバッテリーはどちらかというとマニアックなアイテムで、マレーシアのパソコンショップでは見たことがない。日本では、バッテリーを専門とするメーカーがあり、その中にノートパソコン用の外付けバッテリーを扱うところがある。Enaxはそのようなメーカーの一つ。ウェブサイト(www.enax.jp)に行けばわかる通り、今まで数多くの外付けバッテリーを販売してきている。ノートパソコン用だけでなく、デジタルカメラ、PDA、iPod用のバッテリーも扱っている。小生、恥ずかしながら、Enaxのバッテリーを計6個所有している。日本にいたとき、旅行に出る前など、飛行機の中で電源がないシチュエーションをついつい想像し、そして過剰な不安にかられ、魔がさして買いだめしてしまった。フル充電したEnaxのバッテリーが3個あれば、どんなに激しく利用したとしても、一日はもつ。出張で長距距離移動が多く、移動中にノートパソコンを利用したい人にとって、内蔵バッテリーだけでは心許ないだろう。そういう人には、おすすめである。一個ぐらい持っていても損はない。
 
 【内蔵バッテリーパックのセル交換】
 バッテリーが古くなると、フルに充電しても5分も持たなくなる。たとえACアダプターを使ってノートパソコンを利用するにせよ、こうなると、使いにくくてしょうがない。ACアダプターを忘れ、スリープや強制終了させてしまうことがしばしばある。ノートパソコンを使っていると、だいたい一年で、バッテリーが弱くなる。本来ならば数時間もつはずなのに、一時間も持たなくなる。そういう場合、ノートパソコンのメーカーが別売りする内蔵バッテリーを購入することになる。これがまた結構な値段だったりする。少なくとも福沢諭吉が一枚は必要だ。また、店頭に置いてある商品ではないので、気軽に購入することができない。特に、マレーシアに住んでいて、日本で買ったノートパソコンの内蔵バッテリーを注文する場合は、入手までに時間と手間が必要以上にかかってしまう。
 そのせいか、最近、ノートパソコンの内蔵バッテリーを、リフレッシュするるサービスがはやっている。バッテリーパックの中に入っている「セル」と呼ばれる電池本体を取り出し、新品と交換してしまうのである。日本のYahoo!オークション、通称ヤフオクのノートパソコンのページに行くと、そのようなサービスをたくさん見つけることができる。当地、マレーシアでは、パソコンショップに行けば、内蔵バッテリーのセルを交換をしてくれる。小生の知るところでは、Low Yat PlazaやImbi Plazaに行けば、そのようなサービスを行う店がある。
 たとえば、富士通ノートパソコン用内蔵バッテリーFMVLBP101(10.8V,1800mAh)は、2005年3月現在、税込のウェブ価格が10,080円である。ヤフオクでは、このバッテリーのセル交換を5,890円で受けつける店がある。ただしこれは送料等を含んでいないので、最終的には七千円近くになるだろう。マレーシアのショップならばRM200〜RM250と思われる。死んでしまった内蔵バッテリーを復活させる場合、マレーシアのショップで済ませてしまうのは、費用と時間を考えるならば、悪くない選択であると思う。ただし、あくまでもat your own risk、その点はご注意ねがいたい。
 
     
 
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