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マレーシアンに聞いた
「袖の下、あんな話、こんな話」 |
ニュースでも取り上げたように、警察は反汚職キャンペーンを展開している。「汚職」といってもいろいろあるが、マレーシアでしばらく生活し、自分で運転する人にとっては、ピンとくるものがあるはずだ。検問やスピード違反でひっかかった時など、警官にその場でいくらか渡して「なかったこと」にしてしまう、アレだ。
いろいろな話を総合すると、だいたいのパターンは
*「罰金はすごく高くて、RMxxxにもなる」などと、ちょっと脅かすように言う。実際の罰金額を言う場合もあれば、とんでもない額を言うこともある。
*「裁判所に出頭する必要がある」「どうする? どうする?」などと、プレッシャーを与える。
*頃合いを見計らい「交渉の余地ならある」、「『お友達』になろう」などと言いながら、袖の下を要求していることを仄めかす。
そして、金銭をせしめて「ごきげんよう〜!」、こんな感じではないだろうか。汚職反対のキャンペーンを展開しているのに、依然として「検問でいくら払った」などといった話があちらこちらから聞こえてくる。
最近耳にして思わず笑ってしまったのが「サンドイッチ」だ。ある知人が検問で停車を命じられ、お決まりのやりとりの後に警官から言われたのが「じゃあサンドイッチな〜」という言葉。「サンドイッチって何ですか?パンならありませんよ」と答えたところ、警官は「あいや〜」と叫んで、もどかしそうに説明を始めたという。要は、運転免許とICの間に金を挟んで、サンドイッチのようにして渡せ、ということなのだ。以前のようにおおっぴらに出来ないから「目立たないように」ということらしい。
こういった、警官からの「袖の下要求攻撃」に対し、人々はどうしているか。多くの場合、少額を払ってその場で「解決」させてしまうことが多いようだ。別の友人は「わざわざ後で罰金を払いに行くなんて面倒だよ。そもそも、罰金より少ない額で済ませられることがほとんどだし」とコメントする。
よりプラクティカルな地元民の対応策として、財布をふたつ用意しておく、というのが知られている。免許やICなどは財布に入れてあることが多く、警官に手渡す時に、どうしても財布の中を覗かれがちになる。警官に対し「こいつならいくらまで要求してもOK」という、一つの目安を提供することにもなるから、「見せ金」用の財布を使用するのだ。財布の中に、あえて少額のみを入れておき、「ほら、貧乏だから少ししか払えない」といって、罰金を「値切る」という訳だ。
中には、悪いことをしていないのに袖の下を要求されることもあるようだ。筆者も、高速道を110km/h程度で走行していたのに「170km/hだった」と言われ、袖の下を要求されたことがある。疚しいところはなかったので、ひたすら15分間否定し続け、何事もなく済んだ。もしこんな言いがかりをつけられたら、中には「怪しからん!」と怒りを爆発させたくなる人もいるだろうが、警官に対する態度には気をつけたほうがいいようだ。
先頃、地元英字紙上で報道されたケースでは、中国国籍の女性が検問でパスポートの提示を求められたが、警官は「正規のパスポートではない」として女性にRM500を払うよう要求。パスポートはきちんとしたものだから、といって支払いを拒否した女性は警察署に連行され、身体検査の際に全裸になることまで強要されたという。
「警官に対して反抗的な態度をとったばあい、ろくな事にならない」というのはローカルの人々の間で広く言われていることで、この中国人女性の場合も、何か怒らせるような態度をとったのでは、と推測できる。
実際「どんなに腹の立つことがあっても、警官には絶対逆らうなよ。逆らうと...」と、なかば脅かされるように聞かされたこんな話もある。反抗的な人に対し「中をチェックする」といって、ガサゴソ車内の捜索を開始する。隙を見て、警官がポケットに用意してある麻薬を車のどこかに落とし込む。しばらく調べている振りをした後、「これは何だ」といって麻薬のパケット(警官自身が落とし込んだもの)が登場、というものだ。ご存知のように麻薬関連の罪は非常に重く、また警察により発見されたということだと、非常に不利な状況に追い込まれることになる。
「洒落にならない」とはこのことだが、本当にそんなことがあるのだとしたら、恐ろしいことである。
ちなみに、ベルリンに本部をおくNGOトランスペアレンシー・インターナショナルが10月18日発表した汚職清潔度指数(CPI)ランキング2005では、マレーシアは39位を記録している。1位はアイスランドで、アジア諸国ではシンガポールが5位、日本が21位、韓国が40位、タイが59位、中国が78位、フィリピンが117位、インドネシアが137位などとなっている。
さて、反汚職キャンペーンの成果は如何に? |
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