信じちゃいけない、
保険、損保会社
損害保険(以下、損保)業界大手の三井住友海上火災保険が主力の損保商品の販売を7月10日から2週間の募集・販売停止、「医療保険」など第3分野の販売を無期限販売停止に加え、海外の子会社や支店設置等の3ヶ月間設置禁止、6月21日、前例のない厳しい処分を課した。処分が海外まで波及したということの意味をよく考える必要があるだろう。

 三井住友海上は金融庁の調査で02年から05年度に医療保険の不当不払いが927件発見された。終身医療保険では契約者の請求のなかったものも含めて、不当不払い全体の14.8%あったという。三井住友海上は昨年、約2万7千件の不当不払いを金融庁に報告している。しかし、新たに約1万7千件、総額71億9100万円、一件につき約41万5千円の不当不払いを金融庁に報告した。

 昨年以後の、金融庁による行政処分を受けた損保、金融機関を表にすると、
対象となった損保 処分発令 違法行為
明治安田生命保険 05年2月 保険金の不当不払いなどの保険業法違反
明治安田生命保険 05年10月 保険金の不当不払いなどの保険業法違反
アイフル 06年4月 強引な取立てなどの貸し金業規正法違反
三井住友銀行 06年4月 金融派生商品を取引先に押しつけ販売した独占禁止法違反
損保ジャパン 06年5月 保険料の立替え、保険金の不当不払い等の保険業法違反

  保険業界、損保業界は規制緩和により競争が激化している。新製品が次々と生まれ、勧誘員や社員が甘い言葉で契約をもとめている。契約の具体的な内容は虫眼鏡でなければ見えないような小さな活字で書かれている。ほとんどの人は勧誘員や代理店、社員の口にする契約内容を聞き、他社と比較して有利な条件であれば契約する。日本を代表する保険会社、損保会社を無条件に信頼する。

 だから、現実には、病気になっても事件事故にあっても、大手保険会社、大手損保会社の社員に何やかんやと重箱の隅をつついたようなことを言わると、「そんなもんか」と信じてしまう。明治安田、損保ジャパン、三井住友という名前を聞いただけで、ふつうの人たちは「ご無理ごもっとも」となってしまう。一流の大学を卒業したエリート社員の言うことだから、ということだ。

 ところが、そうした一般の消費者心理をついて、払うべき保険金を不当に支払わないでいた。契約者が発病したのは「契約前だ」と社員が勝手に判断して支払いを拒否する。医師による発病の日付の指定が必要なのに社員が勝手に行なう。こうしたことを会社側は「社員の理解不足だった」という。「そんな馬鹿な。社員は知っていて、契約者をだましたんだ」とだれしもが思う。支払う条件が整っているのに、契約者を巧みに欺いて支払いを拒めば会社にとっては利益になる。そうやって点数を上げて出世をしようというあさましい魂胆が見えてしまう。もちろん、ほうとうに保険商品を理解していなかった、誤解していた社員もいるだろう。そかし、そんな程度の低い社員こそ会社の利益にならない。リストラすべきだろう。

 三井住友海上の植村裕之社長は「社員の理解不足だった。発売前に十分な運用態勢をつくるべきだったが、細部のチェックが甘かった」という。これまでの商品とまったく違った医療保険だったから社員が不慣れなままだったという。ここまでくると、苦し紛れのいい訳というか、下がうそつきならば、上はうそを指示しているのかと言いたくなる。

 保険会社も損保会社も、できるかぎり払いたくないというのが本音のはずだ。管理職は部下に「保険金の支払いを極力抑えろ」というのがふつうだ。前線にいる勧誘員、代理店、社員は契約者と会社の間で悩むことになる。わたしは、少なくとも保険金の不当不払いは会社の方針だと信じている。だから、金融庁は中小企業なら倒産するような行政処分を課したのだと信じている。

海外で暮らすわたしたちにとって、とくにロングスティや旅行、出張で海外にいる人々にとっては海外旅行保険などで損保会社とはふかく関わっている。海外事業にまで処分が及んだ。大手損保会社が信用できないとなるとどうすればいいのか。

 しかし、行政処分を受けた明治安田生命保険とか、損保ジャパンとか、三井住友海上は逆にねらい目かも知れない。痛い目にあって、痛みを感じている間は悪餓鬼といわれる子供だってきちんとやる。それでも変わらなかったら意図的な欺網による明確な詐欺だ。いくらなんでもそこまではやらないだろう。

 
     
 
 
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