安倍新首相とA級戦犯
 安倍晋三氏が自民党総裁になり9月27日の衆参議員で首相に指名された。靖国参拝肯定論じゃと見られている安倍新首相にとっては首脳会談が途絶している中国と韓国の外交の正常化が緊急の課題となった。首相の靖国参拝で中国と韓国がこだわっているのは、靖国神社にはA級戦犯が合祀されているからだ。自国を侵略し、国民の多くを殺戮し、屈辱と塗炭の苦しみを与えた張本人であるA級戦犯を「日本国のために命を投げ出した偉人として感謝の意をもって礼拝することに、被害国民としては納得できないものがあるというのだ。小泉前首相が靖国神社を参拝するたびに、中国は急激な経済発展の副作用として起こりつつある社会矛盾や国民の不平不安を制御するためにナショナリズムを煽るなどして政治的に利用してきた。韓国の盧武ヒョん政権は支持率の低迷を回復するためのカンフル剤として韓国人特有の日本人に対する劣等意識を刺激して支持率回復に利用している。
 中国と韓国は首相が靖国神社を参拝しようがしまいが、あとからあとから歴史認識の違いや領土問題を持ち出して世論操作の道具にしようとしてくる。安倍首相が靖国神社参拝を取りやめれば、「両国政府は自分たちが圧力をかけて日本の首相を屈服させた」と国内向けに大々的にアナウンスするにきまっている。安倍首相にとってA級戦犯とは母方の祖父である岸信介元首相がA級戦犯として巣鴨拘置所に収監されていたことから、特別な思いがあるはずだ。少なくも安倍首相はA級戦犯となった人たちを犯罪者とは認めないだろう。

 総裁選挙中もA級戦犯の戦争責任については「歴史家の判断に委ねる」として明言を避けている。東京裁判について『異議を申し述べる立場にない」として、A級先輩位については「わが国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない」としている。戦争中、岸信介氏は東条英機首相の右腕的存在だった。東条内閣の商工大臣として戦時経済の元締となった。日本軍が劣勢になり商工省が廃止され軍需省になった。登場首相が軍需大臣を兼務するようになり、岸信介は軍需次官に就任した。軍内部では陸軍出身の東条首相主導の戦争継続方針に反対する米内光政海軍大将等の早期和平論が出始め、木戸幸一内大臣なsどが、密かに打倒東条内閣を画策していた。内閣改造によって情況打開を画策した東条首相の意向を岸信介は辞任拒否という形で対抗した。東条の側近の憲兵体調が自宅に押し掛け岸氏を恫喝したが、岸氏は折れなかった。
岸信介元首相は大平洋戦争遂行の最高責任者である東条英機首相の右腕として軍国主義化、右傾化する日本国の一翼を担ったことは間違いない。
 岸信介氏は首相に就任後に渡米しアイゼンハワー大統領と会談、日米安保条約を締結する方向で合意した。中国、旧ソ連、北朝鮮と、共産主義国家と隣接する日本は、もっとも共産主義が浸透しやすい國として見られていたのだろう。共産主義とは、「国民全員が善人で私利私欲に走らず、大多数が陰日向なく働らくひとびとで構成される国であれば最高の理想国家となる」日本人の99%は犯罪者となることを恥だと信じている。そして、よく働く。現実の共産主義国家である中国や旧ソ連、北朝鮮の国民たちとは対局にある。この国に共産主義思想が入り込んだら、新興宗教のようにあっという間に蔓延してしまう。アイゼンハワーも岸信介もそう考えたのだろう。その考えは正鵠を得ていた。60年安保、70年安保の時代安保反対を叫ぶ学生たちや労働者のの多くが毛沢東語録をもち読んでいた。あたかもファッションのような流行だった。
アメリカににって日本は防共の砦だった。防共の砦を守るための軍事同盟が日米安保条約だった。岸元首相の判断は正しかった。本人は自殺を考えるほど追い込まれ、テロリストに襲われたこともあった。それでも自説を曲げなかった。

 安倍晋三首相は祖父である岸元首相を尊敬し、政治家としての理想像をそこにもとめるだろう。A級戦犯であった偉大な祖父を思うと、靖国に祀られているA級戦犯の霊を無視することは追いそれとはできない。
 安倍首相が祖父岸信介元首相がA級戦犯だったことに拘泥すれば、隘路に踏み込んでしまう。信念のためにはテロや脅迫を恐れない政治家だった祖父の姿勢を受け継げば立派な政治家として後世に名を残すに違いない。

 
     
 
 
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