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雪印のあとを追う老舗『不二家』
再起をした『不二家』を拍手で迎える日がくるか? |
不二家の半世紀にも及ぶ超ロングセラー『ミルキー』には不二家の初代社長だった藤井林右衛門の「これまで誰も手をつけていない独特の味を創りたい」という夢が託されている。
不二家は1910(明治43)年藤井林右衛門(25歳)が横浜市元町2丁目86番地に洋菓子店を開店した。 1912年に合名会社不二家になり 社長 藤井林右衛門 出資金10万円だった。東証一部上場での資本金63億1,722万円。
日本が太平洋戦争に敗れて、焼け野原になった沼津に工場を再建し、水飴と練乳の製造を開始した。昭和24,5年の頃、藤井社長は暇さえあれば自宅に近い鶴見工場に行って、幼児を対象とした新製品を開発しようと試行錯誤を繰り返していた。お母さんの愛情を洗え和すようなやわらかい味、母乳の懐かしさを感じさせるようなお菓子を作ろうと神職を忘れて没頭した。試作品は数百に及ぶという。昭和26年、練乳を50%近くつかい、思いっきりまろやかな味の新しい菓子『ジョッキー』が誕生した。砂糖1貫目(3.75kg)で2000円、バターもろくに手に入らない時代に、思いっきり贅沢な新製品でした。その後、牛乳そのままの味というイメージを活かすために『ミルキー』と名前を変え、銀座の不二家で売り出され、27年、全国の小売店、お菓子屋さんで売り出された。
新しい味、豊富な栄養、10円という安さでまたたく間に、日本中の子供たちの人気を得て、大ヒットした。
わたしたち団塊の世代にとっても、子供の頃に食べた『ミルキー』の味と箱に描かれた『ペコちゃん』の庶民的な女の子のイメージ・キャラクターを懐かしく思い出す人は多い。
1910年に創業された不二家は老舗の子供と女性のための菓子メーカーというだけでなく、シュークリームやエクレアを売るお洒落なケーキ屋さんであり、チョコレートも売っている「甘いもの屋さん」そのものだった。わたしたちは不二家というブランドに「不二家の製品なら、安心して子供たちに食べさせられる」と、全幅の信頼を寄せていた。
その信頼が裏切られた。雪印乳業の食中毒事件で、食品メーカーが衛生と安全に対する配慮を怠れば、大企業であろうとなかろうと哀れな末期へと真っ逆さまに落ちていくことは同じ食品業者だけに十分すぎるほど分っていたはずだ。まして、故意に消費期限が切れた材料を使用すれば、そして、それがばれたら企業として存続することができなくなる。おそらく、マスコミに向けて内部告発があったのだろう。社内は犯人探しで疑心暗鬼の状態に違いない。老舗企業独特の古い体質と、大企業が故の役人的な保身主義が「不二家」という時代を超えて子供たちから愛されつづけてきた企業を消し去ろうとしている。
安倍晋三首相は「美しい国日本」という標語を掲げている。教育基本法を改正し子供たちを「美しい国日本」を愛する日本人に育てたいようだが、教育基本法を議論するタウンミーティングでそれをオーガナイズする文部科学省や都道府県の役人たちが参加者に「やらせ」を要求していた事が公表され、とたんに教育基本法は胡散臭いものとなったし、全国数百の高等学校では学校長をはじめとする教育の専門家たちが必修科目を授業からはずしていたことも発覚、先生も教育委員会も信用できなくなっている。年が明けてからは、伊吹文明文部科学大臣の政治団体による不明瞭な政治資金の経理処理が発覚し、まともに説明できない状況になっている。先生も無責任、教育委員会は教育のルールを守らない、そして、大臣までこれでは子供たちは教育そのものを信じなくなる。
おまけに、子供たちが正しく成長するには両親による家庭教育が大事だと決めつけようとしている。子供をもつ親は、政府に何かを言われなくても、自分の置かれた環境によって自分たちができる限りのことをする。やりたくてもできないこともある。それぞれが、親として子供にしてやれる教育を真剣に考え、精一杯実行する。それ以上を求めるのは政府のやるべきことではない。
政府が求める「美しい国」とはいったいどんな国なのだろう。東大でのエリートたちが犯罪を犯して、どんどん獄中に入っていく。高級官僚、政治家、大手ゼネコン、汚辱にまみれた世界だ。伊吹文科相の開き直りも醜悪だ。せめて、「美しい国」と叫んだ張本人の周辺(内閣や与党幹部)くらいは「美しい存在であってほしい。
不二家には、ただ潰れてしまうのをなすすべもなく見ているよりも、正しく立ち直る姿を見せて、もう一度、子供たちに夢やたのしさ。美味しさを伝えてほしい。大手のマスコミのように「(泥だらけになった不二家を)汚い、不潔だ、あっちに行け」とよってたかっていじめるのはやめにしてほしい。道を歩いていて転んで泥だらけになっても、自分で立ち上がって、風呂に入り、汚れた衣類は洗濯して、身だしなみを整えて出直してほしい。その姿を見て、「よく泣かないで頑張ったね」と言って、静かな拍手で迎える人々のいる国を「美しい国」だと思う。 |
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