柳沢厚生労働大臣の女性蔑視発言から思うこと
2月4日に行われた愛知県知事選挙と北九州市長選挙で、愛知県では愛知万博の成功と中部国際空港開港という実績を引っさげた与党の自民公明推薦の現職の神田真秋氏が、民主党などが推薦した石田芳弘氏をかろうじて破った。北九州市では野党の民主党、社民党、国民新党が推薦する北橋健治氏が与党自民公明両党を推薦した柴田隆博氏を破った。注目の地方選挙は一勝一敗となった。
選挙期間中に少子化問題担当の柳沢伯夫労働相が大失言をはっしてしまった。柳沢伯夫厚生労働相が島根県松江市での集会で述べた「(女性は)産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」という発言のことだ。少子化問題を解説する中で出た発言である。が、率先して少子化対策に取り組むべき厚労相が女性を機械に例えたのだから、あきれてしまう。 厚労相は「機械と言って申し訳ない」と話しの途中で謝り、「産む役割の人」と訂正したという。しかし、それで済まされる問題なのかどうか。
結婚願望の女性もいれば、結婚をしないという女性もいる。子供はいらないという夫婦もある。3人でも4人でも子供がほしいという夫婦もいる。しかし、子供がほしくても金銭的な理由で産むに埋めない女性もいれば、夫に身体的欠陥があって子供ができない人もいれば、女性自身に身体的欠陥がある場合もある。一人ひとりそれぞれの考えや事情がある。それは関係のない他人が入り込める世界ではない。まして、政治家に「女性は子供を産む機械(装置)」と呼ばれて、怒らない女性はいないだろう。子供を産まない女性は「壊れた機械か?」ということになってしまう。
安倍首相と自民党は必死で柳沢大臣を守ろうと
1月29日には、柳沢厚生労働相は安倍晋三首相、塩崎恭久官房長官に「不適切な発言だった」と釈明している。不思議なのは子供のいない安倍首相が柳沢大臣の擁護に回ったことだ。せめて、最近とくにマスコミに取り上げられるようになった昭江夫人が自身のホームページか首相のメルマガに「夫である首相の立場は分るが、柳沢大臣の発言は許しがたい。子供のいない一人の女性としての気持ちとしては辞任してもらいたい」くらいのことを言ってほしかった。それくらいの芝居をする程度は許されるはずだ。そういすれば、事態は鎮静化に向かっただろう。
しかし、安倍首相以下、政府与党は柳沢大臣を守るほうに回った。結果として、ダブルスコア以上の大差で勝つといわれていた愛知では選挙前には考えられなかった接戦となった。この結果を受けて有力閣僚の一人は「柳沢大臣の発言と地方自治体選挙は別と選挙民が判断した」と自信満々の笑みをうかべて語った。中川秀直自民党幹事長は「審議をボイコットしたという戦術の失敗」と評価した。柳沢大臣は「辞任する考えはない」と発言した。「これで柳沢問題はなしになった。」「勝ちは勝ち」、「女性は子供を生む機械問題は国政問題であって、地方自治の問題ではない」で収めようとした。
そういうことを彼らが口にしなければ、世論は批判勢力から離れたれただろう。彼らがそれを口にすれば、わたしたちは「何を偉そうに」と思う。一勝できたという事で、鬼の首でもとったように野党をあざける。おろかな人たちだと思う。
もっと。国益に反する麻生外相と久間防衛相の米軍批判
そうこうしているうちに、今度は麻生太郎外相が2月3日午後、京都市で講演し、米国によるイラクの占領政策について「平和構築を考える時、ドンパチ(戦争)が終わった後が大変だというのがイラクで分かった」と強調、「(占領後の対策方針が)非常に幼稚だった」と指摘した。イラク戦争をめぐっては久間章生防衛相が「反米的」とも受け取れる発言を続け、日米関係への影響に懸念が出ている時だけに、麻生外相の発言が波紋を広げる可能性もある。1月24日の久間章生防衛相の日本記者クラブでの発言が駄目を押した。イラク戦争について、「核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ米大統領は踏み切ったのだろうと思うが、その判断が間違っていた」と言ってのけた。
経済制裁を受けて、北朝鮮が何時爆発するかというほど追い込まれている。北朝鮮からミサイルに搭載された細菌兵器が、あるいは核弾頭がいつ飛んできても不思議はない。そんな時期だというのに、北からの攻撃についする防衛にとって、最も頼りにしているはずの米国(米軍)をいらだたせている。もしものときに米国民が「例え北朝鮮が戦闘状態になって日本を攻撃しても、米軍の存在の意味を理解していない、感謝もしていない日本に手を差し伸べる必要はない」と評価したら、日本は北からの攻撃にさらされてしまう。自衛隊のみでどう戦うのか?できはしない。最終的に、北朝鮮は敗北し、地上から消える。それまでに日本、日本人の生命と財産がどれほど失われるだろう。
少なくとも、外国勢力から国民の生命と財産を守るべき防衛省と外務省のトップが例え1%以下の可能性でも言ってはいけないことだ。
二人の大臣の口害は柳沢大臣より深刻だ。野党はこっちのほうを罷免に向けて戦うべきだ。などと考えていたら、柳沢大臣が「2人以上子供をもちたい若者」を「健全」と表現する発言をした。この発言を聞いた野党側は鬼の首をとったかのように「子供が二人以上いなければ健全ではないのか?」と言って攻めだした。悪意とればその通りだ。しかし、善意で考えれば、夫婦二人が二人以上の子供をもてば人口は減らないし、健全な国として将来に向かっていくことができる。政府としては「夫婦二人で二人以上の子供がほしい」というのは本音だろう。問題は「健全」という言葉を不用意に使ったことだ。野党議員の攻勢に柳沢大臣は「国語力がない」と自分を卑下したが、少子化担当大臣としてはいささか軽率だった。
しかし、これは「子供を産む」機械」発言とは意味が違う。取りようによっては言葉尻をとらえただけのやくざの言いがかりのようなものだ。冷静に客観的にとらえれば、何が言いたかったかが理解できるはずだ。この点で、野党側のやり方は卑劣であるし、これでは世論は離れていくと思う。泥仕合は、まさに愚か者同士のなじり合いになってきた。
政府与党も野党も、世界中の笑いもの
いずれにしても安倍内閣の閣僚たちの知的能力の低さは、NHKテレビによって英語に翻訳されて全世界に広まっている。マレーシア人スタッフから「日本の大臣って、女性差別主義者なの?」とか「日本の政治家の知能はみんなあの程度なの?」と聞かれたら、どう答えたらいいのだろう。最低、最悪の愚かな政治家、大臣たちをもつ日本人には、マレーシアの政府、内閣を笑うことはできない。 |