『発掘!あるある大辞典II』の捏造問題
キー局フジテレビの責任が追及されないのは、なぜ?
 『発掘!あるある大辞典U』の捏造問題で日本民間放送連盟(=民放連:会長・広瀬道貞テレビ朝日会長)から会員活動を停止されていた関西テレビに対し、民放連は3月27日、緊急対策委員会(広瀬会長のほか在京キー局5社、地方テレビ、ラジオ局の社長で構成)を開催し、関西テレビの除名処分を決めた。除名処分を受けたことがあるのは、CMの間引き問題で静岡第一テレビだけで、1年4ヶ月後に復帰している。

 民放連には全国201社が加盟(2006年4月1日現在)している。関西テレビが除名処分となれば、準キー局では初めてとなる。除名されることによって放送局としての信用が著しく損なわれる。とくに広告主からの信用が失われることによって収入に大きな影響がでることが必定となる。一方、自社製作番組をキー局に流したり、キー局かえらの番組を受ける際の回線使用料の加盟社割引の適用が受けられなくなるなどの不利益を被ることになる。

 『発掘!あるある大辞典U』の捏造とデータの改ざん問題について、関西テレビが外部有識者による調査委員会(委員長・熊崎勝彦・元東京地検特捜部長)が3月23日までにまとめた報告書には、「下請け制作会社の日本テレワークに制作を丸投げし、関西テレビ側に当事者意識が欠けていたことが原因」とある。関西テレビが総務省に捏造やデータの改ざんがあったと報告したのは4件だったが、調査委員会は16件にあったとしている。

 緊急対策委員会の決定は、まるで他人事のように下請けや孫受けの責任を追及する関西テレビ(千草宗一郎社長)と引責辞任を先送りする千草社長の態度を糾弾することで終わらせようとしているできレースのように見える。

 また外部有識者によるという調査委員会が客観的な判断をしているとは思えないのは、準キー局の関西テレビと孫受け制作会社を問題として、キー局のフジテレビやフジテレビが出資し、フジテレビのオービーたちが設立した「日本テレワーク」を下請けにつかったことに関して、同社の社外取締役にフジテレビの村上光一社長がなっていることなど、丸投げした下請け会社と関西テレビの力関係が炙り出されていないからだ。

 『発掘!あるある大辞典U』をフジテレビをキー局とするネットワークで全国に流すことを決めたのはフジテレビ自身ではなかったのか?その責任は?関西テレビがなぜ、下請けに、以前から同様のやらせ・捏造問題が指摘されていた「日本テレワーク」を指定したのはなぜか?関西テレビの出馬会長はフジテレビ出身だ。キー局であるフジテレビのオービーがやっているから使ったのではないか?あるいは、本当は直に孫受けに出したかったけれど、「天の声」で「日本テレワーク」を使わざるを得なかったのではないか?

フジを追求したら、わが身の尻に火がつくのを恐れているのか

 キー局の責任を追及し始めたら、フジテレビだけではなく、日本テレビも、TBSもテレビ朝日も、尻に火がつくからではないだろうか。「社会的影響が大きすぎる」というのを言い訳に、その場しのぎで蓋を閉じてしまおうというのだろう。ただ、この問題が発覚したときに抗議が寄せられた数で比べれば、フジテレビへの抗議が8割、関西テレビが2割だったことを考えると、視聴者のほとんどが納得できない結末になるように思えてならない。一方で、自民党の通信・放送産業高度化小委員会も総務省にも、やっとキー局の責任に言及する動きが見えはじめた。

 関西テレビは経営的に非常に困難な状況になる。しかし、除名期間の短縮など政治的な妥協が図られるような気がする。関西テレビはクアラルンプールにもフジテレビと同居している支局があり、人望があった特派員もいた。現在も、困惑しながら事態が穏便に収集することを願っているだろう特派員もいる。関西テレビには千草社長が引責辞任して、罪一等が減ぜられる可能性がある。誰からも信頼され、誰からも愛される放送局になる日はふたたびやってくるのか?フジテレビはほっかぶりして知らぬ顔ですましてしまうのか?

 テレビ業界は政府や与党自民党の規制や干渉を受けることを「言論の自由」を狭めるものだと言って避けようとしている。それなのに、業界全体として政府総務省や与党自民党などの族議員に規制や干渉の口実を次から次へと与えている。自分で自分の首を絞めて、国家が統制するメディア、戦前のような状況に持ち込もうとしている。つまり、業界全体が自民党・公明党政権の意図のもとに「やらせ」をやっているのではと疑いたくなる。

 本人たちは「自分たちは真実を追究するジャーナリスト」と言って気どっているが、沈黙を守り、一刻も早く嵐が通り過ぎるのを祈っているに違いない。「言論の自由よりも年収1,500万円のほうが大切」というのが、おそらく大手テレビ局社員たちの本音だろう。

 
     
 
 
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