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| 中国や東南アジア諸国より悪辣な日本の役人の腐敗 |
役人の汚職体質、とくに許認可権をもつ役人たちが窓口にきた業者や個人に賄賂を要求するのは、中国に代表される共産主義国家のもの、あるいは発展途上国の役人たちの観衆だと思い込んできた。マレーシアに住んで車を運転していれば、一度や二度は交通違反のあるなしに関わらず、交通警官に「ミヌム、ミヌム(飲み物代をくれ)」と暗に賄賂を要求されたことがあるはずだ。14,5年前まではRM10札を一枚やれば無邪気によろこんでいた警官たちが、「一人RM50.5人いるからRM250」とインフレ状態になっている。しかも、スピード違反の取締りの多くはスピードの計測なしで、目測で「スピード違反だ。RM300払え」と言ってくる。「罰金を払うから、違反切符を切れ」と言うと「行け」と言われることがある。
わたしたちは、こうした共産主義国家や発展途上国の役人の賄賂体質、役人たちの悪徳行為は非文明国、途上国の証拠と見て馬鹿にして笑うことが多い。その点、日本の役人は清廉潔白かというと、とんでもない。賄賂の代わりに「天下り」と言う一見リーズナブルに見えて、その実は賄賂の授受よりも狡猾で悪質なことをやっている。
最近注目されているのが、林野庁と緑資源開発機構とその下請け企業・団体との、林道整備事業などの発注に関する官製談合事件だ。現役の大臣を自殺に追い込むほどの官製談合と天下りの関係は典型的な日本の官僚たちの利権構造だったようだ。キーパーソンの三人が自殺してしまえば事件の真相は有耶無耶になることは確実だ。現職の大臣より巨大な悪がその向こうにいたのだろう。
最悪な役所の典型となっているのが社会保険庁だ。厚生労働省(旧厚生省)の下にある社保庁は資金力が豊富で、言うまでもなく旧厚生省の官僚たちが定年後の天下りの足場になっている。社保庁の役人には、厚生省から出向してきたキャリア官僚、本省で採用された国家公務員、都道府県で採用された地方公務員の三種類がいて、三者三様に、自治労という労働組合が強かったこともあって、馴れ合いで適当に仕事をし、責任感をもたずに、ひたすらに天下り先の確保に躍起になっていた。
バブルの頃、社保庁も含めて、年金組合や社会保険組合が競って保養施設を造り、天下り先や保養先を確保し、採算を度外視した運営をしては赤字の補填を国の税金で補っていた。バブルの崩壊で施設の資産価値は減り、累積赤字が外部に漏れるようになり、国民の非難を浴びるようになった。週刊誌もテレビのワイドショーも、手のひらをひるがえして、自ら絶賛した保養施設を罵倒するようになった。一番の被害者は年金保養施設の近隣にある民間の旅館やホテルだった。赤字は保険料で埋め合わせできる。採算を度外視して運営している年金施設には料金的にも施設の豪華さでも勝負にならない民間の宿泊施設は大打撃を受けた。バブルがはじけると、年金施設は信じられないような値段で売却された。バブルに浮かれて施設を造った官僚たちは大臣、社保庁長官、その下で計画立案し、実行にうつした役人たちの誰一人責任を取らなかった。
林野庁や社保庁ほどの体らくほどではないが、警察庁を頂点とする警察だって所詮は日本のお役人、自前で天下り先を開拓している。交通警官の天下り先は各都道府県の交通安産協会だ。かっては、あたかも運転免許保持者は交通安全協会に入会が義務付けられているような雰囲気を作って、半ば強引に入会させていた。交通警官はまず、交通安全協会に行き、そして、民間の自動車教習所に天下る。現役時の肩書き、役職名が次の職場でのランクになる。暴力団担当の刑事たちはパチンコのプリペイド会社に入ったり、パチンコの景品買い会社に天下る。かっては暴力団の下部組織のような職種を退職した警察官たちが強奪した。元警官もやくざも飲食店や企業のガードマンをやりたがる。警察官はやくざたちに「国家権力を背負ったやくざ」と称する。日本の役人、公務員なんて、そんな程度なのだ。
かって大疑獄事件といえば建設省と運輸省の独壇場だった。その流れは現在の国土交通省に見事に引きつがれて入る。動く金が大きいだけに政治家の先生方の多くが国土交通省に蜜をもとめる蟻のように群がっている。
自民党・公明党の与党が公務員改革法案をどうのこうの言っているが、やくざの幹部たちが規律委員になって、彼ら自身の分身でもあり手足である子分どもの言動を、普通の人たちである国民の目から遠ざけてしまおうと言う姑息さを感じる。
安倍晋三首相は公務員制度改革をばっさりやれば、勧善懲悪の時代劇「水戸黄門」のような大衆人気を得られるとでも思っているのだろうか。国民年金から目を逸らすことができるとでも思っているのだろうか。もしそうだとしたら、この程度の人を首相にしてしまった日本の未来は暗い。 |
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