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自民党総裁選で勝って、
火中の栗を拾った福田康夫氏 |
自民党の総裁選挙で福田康夫元官房長官が選出された。対抗馬だった麻生太郎外相は、国会議員票(387票)で全体の三分の一以上の132票をとり、35府県で行われた党員投票でも福田氏の25万票に対し麻生氏は25万3千票を獲得した。
麻生派を除く、党内の8派閥の領袖は政策を云々する前に雪崩をうって福田支持に回ったが、三分の一以上の国会議員が麻生支持をしたことで、派閥幹部による決断や締め付けが所属議員のすべてに行き届かなかった。しかし、福田氏は総裁になった自民党で党三役に派閥の領袖である実力者を選び、「党の結束を重んずる」と言いながら旧来の派閥政治を復活させた。
福田康夫氏は福田赳夫元首相の長男で、初の「親子宰相」が誕生する。奇しくも父子とも71歳での高齢の首相就任。父赳夫首相は1978年12月の日中平和友好条約締結のときの首相であり、息子の康夫氏も日中関係を重視する「ハト派」と見て、中国のメディアは歓迎する論調が多かった。また、韓国のメディアも福田康夫氏のアジア重視路線を評価し、「靖国神社を参拝しない」姿勢を好意的に報じている。同盟国であるアメリカ政府は福田康夫氏の官房長官時代の調整能力を高く評価している。テロ対策特別措置法の延長問題や在日米軍の再編問題など日米の懸案事項における手腕発揮を期待されているようだ。アメリカ政府は首相は小泉元首相のような「ポチ」タイプで、首相夫人は安倍首相夫人のような「スピッツ」タイプを歓迎するはずだ。
安倍晋三首相の突然の辞任とはいえ、参議院で大敗し、福田新政権の出す重要法案はことごとく通すことができず、遅かれ早かれ一年以内には衆議院解散、総選挙に追い込まれる「選挙管理内閣」のイメージがつよく、福田康夫氏が指導力を発揮できる可能性は乏しい。ポスト小泉の総裁選には自重し、高判断と評価された福田氏だったのに、なぜ今回、満を持したように総裁になってしまったのか理解に苦しむ。年齢的にこれが最後のチャンスと観たのかも知れないが、賢明な選択ではなかったように思う。自民党にとっても、独自の政策をつよくアピールしてリーダーシップをとる豪腕の首相を選ばなければ、低迷はつづく。性格的にも政治状況的にも、現状では福田政権につよいリーダーシップは期待できない。「一年でもいい、首相になりたい」という切なる思いがあったのであれば別だが・・・
旧来どおりの派閥優先の総裁選が行われた結果、自民党は小泉以前に戻り、派閥均衡型の組閣人事、党三役人事が行われるだろう。それでも安倍政権の論功行賞内閣、お友達内閣、仲良し官邸団よりはマシかも知れない。福田氏は自身の年金の一時的な不払いの責任をとって官房長官をあっさり辞任した潔さ、決断力はあるはずだ。国民の目を見ることができる。安倍首相のように国民の観る目も考えも理解できない「裸の王様」にはならないだろうとは思う。でも、分らない。ひょっとしたら、安倍首相とおなじ「首相になりたい病」かもしれない。もしそういうことだったら、日本にとってはたいへん不幸なことになる。
いずれにせよ、第一次福田内閣は早ければ年内、遅くとも一年後の短命に終わる。福田内閣が第二次内閣を発足できるかどうか?できなかったら、半世紀にわたって日本を支配した自民党主導政権は、終焉を迎える。参議院で圧倒的に不利な状況の、もっとも政権運営が難しい時期に福田康夫氏は火中の栗を拾ってしまった。 |
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