内閣支持率が急降下。
仕方なしに薬害肝炎訴訟原告団と世論に右顧左眄
 9月25日に発足したばかりの福田康夫内閣発足時には50%をゆうに超えていた支持率が三ヶ月にもならない間に急降下している。朝日新聞が12月19,20日に行った世論調査では前回12月1、2日の調査時の44%から31%に13ポイントも下げてしまった。
 12月のマスコミ各社の世論調査では、13日のフジサンケイでは39.2%、14〜16日の日経新聞では43%、15、16日の共同通信では35.3%、15、16日の毎日新聞では33%と政権末期の兆候を見せはじめた。政権維持の危険水域とされる30%にあと一歩になってしまった。
 安部政権を苦しめた年金問題、福田政権を苦しめている薬害肝炎問題。そして、老人介護のコムソン、人材派遣のグッドウィル(同一グループだったが)と国民の大きな関心を揺り動かした大問題はいずれも厚生労働省関連だ。職務怠慢、公私混同、天下り先優遇、とにかく厚生労働省の官僚、役人と、厚生労働関連の事業を利権とする政府与党の国会議員たちによって日本国内は混乱させられている。
 安倍前首相にとっても福田首相にとっても、いや日本という国、日本の国民にとって、「厚生労働省の官僚、役人は諸悪の元凶そのものだ。厚労族議員、厚労省官僚と癒着した企業や団体が日本という国をダメにしている。もちろん、防衛省も農水省も官僚と族議員、彼らに癒着している企業が税金を蝕んでいる。外務省だって似たようなものだが。

 それにしても、7月の参議院選挙で政府与党が掲げた年金についての公約を福田首相も町村官房長官も「(年金についての選挙時の意見は)公約と言えるかどうか」などととぼけている。とぼけるという字は「惚ける」、「恍ける」と書く。まさに「恍惚の人」そのものだ。とにかく、福田首相は年金問題は安倍前内閣の責任とばかりに、他人事のようにそっけない。この厚顔無恥に有権者があきれてそっぽを向いた。薬害肝炎は厚労省がらみの問題の一場面でしかないのに、福田首相はこれしかないとばかり熱心に頭を下げはじめた。
訴訟がはじまって、小泉内閣、安倍内閣、福田内閣と、薬害肝炎訴訟は政府与党によって無視されつづけてきた。ところが裁判で次々に国や製薬メーカーの責任を問う判決がでてしまった。それでも、知らぬ顔をしてきた。

 自己顕示欲がつよく目立ちたがり屋の桝添厚労相は2007年の流行語大賞に「消えた年金問題」が入り、「消えた年金問題」を調査して提言者となった民主党長妻議員が表彰式出席を辞退すると、ノコノコ出かけて言って表彰を受けている。「バカもほどほどにしろ」という世間の声が耳に入らないようだ。薬害肝炎で裁判所から和解勧告がでたときに、満面の笑顔で被害者である原告団の前に出て颯爽と握手しようとした。テレビラメらを意識してのパフォーマンスなのだろうが、被害者原告の皆さんにとっては笑顔が出るような話ではないし、これまで国,厚労省にひどい目にあわされてきた不信感から握手なんかできる道理もないことを無視していた。桝添厚労相のパフォーマンスは、逆効果だった。テレビを見ていた人たちも嫌悪感をもったことだろう。
 福田首相も桝添厚労相も、問題を招いた、あるいは問題を大きくした責任は前任者、もしくはそれ以前の担当者にある「他人事」と思っているのだろうが、政府も厚労省も継続しているし、その責任も継承していく。まして、半世紀あまり日本の政治を支配してきた自民党の責任は重い。
官僚・役人が利権をめぐって跳梁跋扈するのは、退職後の天下り先を確保したいからだ。何もしないのは昇進の際の失点を残さないため、つまり保身のためだ。各省庁の許認可権、監督権の下にある企業や団体は天下り先の宝庫だ。防衛省と軍事関連商社の関係だけでなく、金融庁と銀行、国交省と大手ゼネコン、警察だってひどいものだ、やくざの上前をはねるパチンコのプリペイドカードや景品買いを企業化して天下りしている。駐車違反の取締りを委託された企業や違反車両を移動させる企業も天下り先だ。
もちろん、その最たるものが特殊法人や独立行政法人で、ほとんどなくてもいいような団体ばかりだ。特殊法人、独立行政法人を全廃すれば、国際発行も減らせるし、社会保障関連予算が充実する。第一、予算的に、これまでしぶっていた全ての薬害肝炎患者への一律の補償が容易にできるようになる。

 政府与党の自民党・公明党は官僚、役人とともに利権を分け合っているのだろう。そうでなければ、厚労省の官僚、役人に「これでもか、これでもか」とひどい目に遭わされている与党の皆さんが、ここまで頼りにするわけがないし、彼らの利権を守ろうと必死で頑張る理由がない。

 内閣支持率が急激に落ち込んで、やっと福田康夫首相も「このままでは、せっかくなった首相の座が危ない」と気がついたようで、薬害肝炎問題で、世論に従うような風情を見せるようになった。今さら何をやっても、「これ以上内閣支持率が落ちないように」、「洞爺湖サミットまで政権が維持できるようにあがいている」としか思われない。安倍前首相もひどかったけれど、まだ、強行採決をしてでも自分の信念を貫こうという姿勢があった。
福田首相は、何が何でもやろうとする信念も姿勢もないし、何をやろうとしているのかも分らない。安倍前首相以下の内閣総理大臣だと言わざるを得ない。

 
     
 
 
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