暫定税率復活でガソリンが一ヶ月前より高額に
でも、道路特定財源は、道路関係支出に限定すべき
 3月31日に失効して高騰し続けているガソリンの代金がリッター当り25円程度安くなっていた。そのガソリン税などの暫定税率を復活させるための租税特別措置法改正案が4月30日、参議院でのみなし否決として衆議院で三分の二以上の賛成を得て可決した。この結果、ガソリン料金は原油相場の高騰によって3月31日時点よりも高額になってしまったようだ。
 およそ2ヶ月の間、自民党の古賀誠党選対委員長、二階俊博党総務会長など道路族議員たちを中心に東国原宮崎県知事など地方自治体の組長らも暫定税率復活を叫んでいた。自動車重量税、ガソリン税など、自動車をもっている人たちが道路を建設したり維持するために、「受益者負担」として負担している税金だ。ガソリンなどにかけられた「揮発油税」は1953年(昭和28年)に田中角栄議員(当時)らが提出した「道路整備費の財源に関する臨時措置法」がつくられた。
 この時代は、国道でさえ、きちんと舗装してあるのは1級国道と呼ばれる国の基幹となる幹線道路くらいで、100番台の二級国道も含めて、都道府県道も、市町村道も未舗装で、よくて夏の盛りにはフニャフニャになるアスファルト、悪くすると砂利が敷かれたりしていたし、街路灯、ガードレールなんてなかった。しかし、日本は朝鮮戦争特需などのおかげで、未曾有の経済発展をしはじめていた。そして、その時代、自家用車は比較的裕福な家庭の主有する贅沢品だった。そして、昭和50年前後、ガソリン代は1P45円程度だった。首都高速道路の通行料金も200円だったと記憶している。収入とのバランスからいけば、決して安くはなかった。でも、道路をよくして欲しかったし、街路灯や歩道などの整備をして欲しいという思いもあったのだろう。ブツブツ言いながら払っていた。
 ただ、「暫定」という単語の意味からすれば、30年、40年も継続させるのは問題だ。「ちょっとの間だから、我慢して払ってよね」と猫なで声でささやいていたのに、まるで詐欺師のようになしくずしに恒久化してしまった。
 自動車に関わる税金を道路整備、維持に特定して遣うことには賛成だ。しかし、役人たちの天下り先確保のために、必要以上に高額の見積りを出させて、「これだけの工事を出してやるのだから、定年後の役人にポストをこれだけ用意しろ」とか、独立行政法人とか様々な特殊法人を作っては多額の税金をつぎ込んで運営して、自前で天下り先を作っている。それに、役人たち、元役人たちのための、無駄としか思えない福利厚生施設など、数千億円、下手をすれば、一兆、二兆円といった税金が無駄に使われているのは、許しがたい。
 よく分からないのは、自民党、公明党は、東国原知事も、「地方分権」、「地方分権」と声高に叫びながら、国税として徴収して、国交省から分配するこれまでのやり方にこだわっていることだ。問題なのは国交省が仕切っているから無駄な出費が発生し、その責任がうやむやになってしまうのだ。地方自治体の組長の中には収賄で逮捕された前福島県知事や前宮崎県知事のような悪党もいるけれど、半数以上は清廉潔白の士だ。道路特定財源を地方自治体の収入に回せば、県民、市民の監視の目が行き届くようになる。国交省の役人だけでなく、道路族と呼ばれる議員たちに利権を通じて、甘い汁を吸わせる必要がなくなる。汚職に走ろうにも、議員それぞれの発言力が効く選挙区や都道府県内だけに留まる。
 自民党の道路族というのは、田中角栄元首相が元祖で新潟県の道路と東京・目白にある自宅(目白御殿)を見れば、道路族とはこんなものかということがよく分かる。現在では、前述の古賀誠=福岡県7区(みやま市)は靖国神社総代・日本遺族会会長で、反対意見との議論をしないで自己の主張を強引に通すことで“武闘派”と見られている。二階俊博=和歌山3区(御坊市)は民主党の小沢一郎代表とともに、1993年に自民党を離党し新政党結成に参画し、小沢の忠臣と称されていた。2000年に小沢と袂を分かち保守党を結成し、自民党、公明党と連合し与党に組した。もともと運輸省に影響力を持っている。優勢民営化で小泉元首相の寵愛を受け、経済産業大臣を務めた。年金福祉事業団が造って破綻した和歌山県のグリーンピア南紀の跡地(那智勝浦町所有)を中国のリゾート会社に紹介し、賃貸のあと、2015年に無料でリゾート会社に譲渡するという異常な契約をさせた。また、2008年3月30日に開通した国道42号線のバイパスの那智勝浦道路は「二階バイパス」と呼ばれている。和歌山県は二階議員の意向を受けて、利権の確保に躍起になっているように見える。
 最近やたらとテレビに登場している伊吹文明自民党幹事長=京都府1区(京都市)は、旧大蔵省出身。安倍内閣の文科相で事務所経費問題で物議をかもしたこともある。選挙資金収支報告書の誤記や、秘書による補助金交付絵を受けた社団法人などからの違法献金問題もあった。もう一人、暫定税率復活問題では内閣官房長官らしくない強硬な発言を繰り返している町村信孝長官=北海道5区(江別市)は通産官僚出身。安倍晋三総裁選出に奔走した。神道政治連盟国会議員懇談会副会長、北京オリンピックを支援する議員の会副会長。
以上のような議員が道路族と呼ばれている。
 繰り返すが、自動車に関わる税金は道路に限らず、自動車に関して支出されるべきだと思う。老人福祉、年金問題、教育など一般的な生活関連を対象とした一般財源化はすべきではない。国税のそうした一般支出は消費税など全国民から集める一般財源から支出すべきだ。
 道路特定財源を継続するなら、「暫定」という表現をやめるべきだ。そして、その収入を国、つまり国土交通省が管理するのは止めるべきだと思う。都道府県の歳入にして、監査を厳しくするのがいい。特殊法人への補助金は止めればいい。無駄な支出を省けば、大幅な税率軽減ができる。行政改革を促進すればガソリン料金は安くなる。
 
     
 
 
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