5 5月30日、軍が独裁するミャンマー政府が、サイクロン被害に対する国際社会の支援額が少ないと不満を表明したという。ミャンマーの国営紙は「わが国の(サイクロン被害からの)復興資金は約110億ドル(約1兆1500億円)を必要としている。しかし、外国からの支援額の総額は1億5000万ドルにすぎない」と報道した。
中国の四川地震への諸外国の支援金と支援物資や、企業やボランティアなどからの支援が次々と報道され、遅れたがちだった外国からの人的支援を受け入れたことなどが高く評価され報道されているのに比べて、国際社会から、被害の規模、死亡者行方不明者の数ではるかに大きなサイクロン被害に対する注目が激減して、一方で、人的支援をかたくなに拒みつづけ、他方では新憲法制定の国民投票を強行し、アウンサン・スー・チーさんの軟禁を延長した軍政への批判が強まっていることにたいする不満だと思う。
いまさら、ミャンマーの軍政が自国民の災難を他人事のように扱い、対応の愚かさを云々してもはじまらないが、人的支援をかたくなに拒んだことと、外国からの救援物資がヤンゴンのマーケットで売られていたことから、各国政府は支援金や支援物資を送っても被災者には届かず、軍政幹部の懐を肥やすだけではないかという疑念をもったのだろう。
サイクロン襲来後、三週間以上たった25日の支援国会合で、外国要員の受け入れを表明したが、外国メディアは、一転して受け入れ方針に転じたのは、国際社会に強調する姿勢を示すことで、できるだけ多くの復興資金を獲得しようという思惑があるのではと、懐疑的な記事を掲載している。
ミャンマー政府は支援に協力する組織の要員を受け入れるとする一方で、「政府の意向が優先する」と述べ、外国の代表たちの間で不信感があふれた。米国やフランスなどは「援助額の引き上げは救援要員の受け入れが前提」とか、「軍用船を使った物資輸送をひょ比するのが理解不能だ」と述べるなどして、現実的な支援には躊躇している。国連も「救援の遅れにより、約240万人の約4割しか救援物資が配布できていない」ことを指摘している。
軍事政権は、諸外国の救援協力や人的支援を拒否した結果、被害が拡大し、久者に救援物資が行き渡らないと言うことは無視し、「被災者支援の段階はすでに終わり、復興の段階に入っている」と強調し、国際社会の視点とは大きな隔たりを見せている。
大手マスコミのニュースから、ミャンマーの影はほとんど消えている。大手マスコミにとっては、反日にしろ、大自然災害援助にしろ、視聴者、読者が関心をもち、おもしろいと思ってくれるほうを取り上げる。経済力にしろ、国民の生活レベルにしろ、被災状況にしろ、ミャンマーのほうがはるかに劣悪な状況にある。それでも、軍政というあまりにもばかげた政府はあるために、善意の視聴者、読者にとっては何もできないもどかしさだけを与えてしまう。真に助けが必要なのはミャンマーの被災者の人々なのに、誰も何もしてやれない。
中国もそうだけど、独裁国家の人々は、よその国に援助してもらっても、援助額の大きさの国別ランキングをしたり、有名人や企業別にラン銀具をしたりして、金額の多寡によって誠意の大きさを測っているらしい。それは中国人の精神文化だという人もいる。災害に会った人たちを援助するのは、普通のことで、企業の内情や個人の風呂ころ具合や気持ちを勘案して、できるだけのことをすればいいのだ。見栄を張ったり、人気取りのために金額を大きくするのは愚の骨頂だ。被災地に行って、子供の世話をする、食事の世話をするといった活動だって貴重な援助だ。
どんなに小さなことでも、例え金額が少なくとも、必要な人々がいる。不幸な状況にある人に手を差し伸べるのは、人間ならばごく普通のことなのだ。彼らは感謝してもらうためにやっているのではない。でもそれがそういう私心をもたない人に感謝してもらいたいし、それが普通のことなんだということを分かってもらいたい。
ミャンマーの軍政の人たちには到底理解できないことだろうが、幸い、中国共産党のリーダーたちは理解できるようになったようだ。
民間のボランティアに援助金を
ミャンマーの被災を受けた人々のつらい状況は当分つづくだろう。気の毒だがどうすることもできない。ただ、マスコミが伝えている状況よりももっと悲惨な状況であることは認識するほうがいい。
つい最近、ミャンマーのヤンゴンに在住する知人と、仕事でミャンマーと関わっている友人からメールをもらった。
ヤンゴン在住の知人のSさんはParkview Toursという旅行会社を経営するかたわら、ボランティアでミャンマーの子供たちの教育支援をしている。サイクロンの被害で施設は全壊し、貯蔵してあった食料もぬれてしまい、子供たちが勉強できるような環境ではなくなってしまった。彼女は、一刻も早く子供たちが濡れずに寝られて、勉強ができる環境を提供するために資金集めを始めたという。知己の多いシンガポールにも行って支援をお願いしてきたという。
友人のK氏がヤンゴンに行き、Sさんに連絡をとろうとしたが、電話もe‐メールも通じず、直接お宅をたずねたという。その日は会えず、次の日に会って救援食料(彼女用だと思う)を渡してきたが、かなりやつれていたという。
K氏は、ヤンゴンから2時間南の被災地を見に行ったが、テレビで観る以上に悲惨な状況だったそうだ。K氏もミャンマー国際航空のサイトを利用して義援金の募集を呼びかけた。呼びかけに応じてくれる人が多く、来月には食糧や衣服を届けてやれると言っていた。でも、自分で直接配るという。たぶん、軍や政府機関に寄付したらどうなるか承知しているのだろう。
5月26日に帰国した日本赤十字災害調査・調整チームによれば、現地での医療状況の調査も制限され、保健省などの報告だけしか情報収集できなかったという。軍政は、国際社会の人的支援に窓口を開くといったが、現実には窓口はほんのわずかしか開かれていない。このままいけば、数万の死者がカウントされずにすまされてしまうだろうし、洪水による直接被害のあとの食料不足による餓死や食中毒、コレラ、デング熱、赤痢、マラリア、その他の感染症、疾病による死ななくても棲んだはずの数千、数万の人々が死者の仲間入りするだろう。
ヤンゴン市内では、すでにコレラが。発生しているという。また、ヤンゴン市内のマーケットでは、外国からの援助物資が売られている。外国人の人的援助を受け入れないのは、軍人や役人が義援金を自分の懐に入れたいからだという声も聞こえている。天災は人災へと変貌している。サイクロンで苦しめられた人たちが、今度は軍政によって生命の危機に瀕している。残念ながら、本当に苦しんでいる人たちをテレビカメラが映し出すことはない。中国でさえ、今回だけは被害の状況を比較的正確に伝えようとしているのに・・・。
察するに、テレビカメラは本当にひどい被災地を写すことができないか、わざと写さないかどちらかなのだろう。ミャンマーの軍政は江戸時代の日本と同様、鎖国状態にある。国民に外国、とくに西側先進国の人々や繁栄している国の姿を見せない。そして、ごく親しい中国のような国を除いて、とくに欧米諸国には国と国民の貧しさを見せない。軍政自身、自分たちが中国を除く世界の人たちから見れば、国民をごみくずのように扱っているように見えるということを知っているのだ。
ミャンマーにしろ、北朝鮮にしろ、権力者と軍が国民に塗炭の苦しみを強いていても、国家自体が犯罪を行っていても、国連はまったく無力だ。制裁を加えようにも、世界の警察であるはずの安全保障理事会には、中国という「ならず者国家」のリーダーがいて、まともな経済制裁すらできないでいる。
ミャンマーの人たちがこんなにも苦しんでいるのに、中国の四川地震のニュースの影に隠れて、ミャンマーの人々の苦しみが伝わらない。
30日のロイター通信によれば、地元当局者の話として、南部チャウタンにある非難キャンプ39箇所が、すでに撤収されたと伝えている。政府当局者は「キャンプでは、被災者が寄付に頼ってしまう。故郷に帰ったほうが、生活が安定する」と述べているという。ボガレイの国連児童基金(ユニセフ)の職員によれば、「被災者用キャンプ8ヶ所が空になった」といい、被災者たちは30日、突然、軍政からキャンプからの退去を命ぜられたという。「政府は被災地で米や野菜の栽培を再開しろと言っている。サイクロンで壊滅した農地で、今、何ができるというのか?」と被災者は言う。ミャンマーの国営メディアは、政府の見積もった復興資金のうち、国際社会はごく一部しか支援していないと非難し、また、「被災者はすでに外国からの支援なしで生活できる」と伝えている。
わたしたちには、ついつい、支援金も支援物資も軍政が独り占めして、大自然災害で国際社会が支援してくれるという千載一遇のチャンスに、私腹を肥やそうとしようとしているという穿った(うがった)見方をしてしまう。おそらく、支援するといっている国のことごとくは(中国を除いて)軍政に対して相当の疑念をもっているに違いない。
軍政がミャンマーを支配している限り、ミャンマーの人々の生命の危機状態はつづくだろう。しかし、このような狂気としか思えない軍政のやり方に対し、国際社会はあまりにも無力だ。ミャンマー軍事政権を全面的に支えている中国が国連安保理の常任理事国である限り、国連はミャンマー国民を見殺しにしているのに等しい。
国連分担金の約20%、アメリカに次ぐ第二位の拠出国である日本が、「悲惨な状況にある数百万人のミャンマーの被災者を支援できず、苦しんでいるのを見て見ぬふりをするのは、国連も日本もミャンマーの軍政と同罪ということだ。ミャンマー政府に対し、国連が何もできないのなら、国連分担金の拠出をやめ、国連脱退も辞さない決意」だと表明するくらいのことをしてもいいのではないか。これなら、アメリカも一銭も使わずに、うまくいけば自国の分担金の拠出もセーブできると賛成するだろう。一番困るのは中国だ。中国がどういう判断をするかを見てみたい。
ミャンマーは中国、インド、タイといった友好国の人的援助は柔軟に受け入れる方向にある。ちなみに、日本はミャンマーと親密な関係にある。だから日本の医療援助隊を受け入れている。このことは、日本政府は何らかの思惑があってミャンマーの軍政と親密な関係であって、日本政府がミャンマーの国民と親密であるということではない。今回のサイクロン被害で日本への難民申請がふえると言われているが、政府は認定は難しいと早くも示唆している。欧米先進国はミャンマーへの経済制裁を課して、援助を行う方向にない。そうした流れに、日本政府はかたくなに抗って人道援助と称して援助している。
政府開発援助(ODA)の資金の流れが軍政と日本の与党の自民公明の政治家の間でうごめいている可能性がないとはいえない。
しかし、99.9%の確率で、福田首相にも与党の自公両党の国会議員たちも何もしない、何もできないだろう。
Myanmar Parkview Tours
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ミャンマー・サイクロン被害義援金募集のお知らせ
2008年5月2日から3日にかけて、大型サイクロンがミャンマー中・南部を襲いました。ミャンマー国際航空・東京事務所では、サイクロンの被災者とそのご家族に対して、心からお見舞いを申し上げますとともに、被災者の方々に対する義援金受付口座を開設いたしました。
皆様の義援金の中から、\3,000で一俵を届けることができます。
私どもの気持ちといたしましては、米200俵を届けられることを希望しております。
また、現地では衣料も絶対的に不足しております。
皆様がもう着なくなった服もお送りいただければ幸いです。
衣服をお送りいただく際は、送付先をご案内いたしますので、事前にご一報ください。
皆様の温かいご支援をお待ちしております。
<義援金受付口座>
三菱東京UFJ銀行、日本橋中央支店
普通口座:4855464
口座名義:ミャンマー国際航空
もしくは
みずほ銀行、兜町支店
普通口座:2046093
口座名義:ミャンマー国際航空
※銀行振り込みの際は、ミャンマー国際航空東京事務所までご住所とお名前をお知らせ下さい。領収書を送付させていただきます。
問い合わせ先
ミャンマー国際航空
(日本地区総代理店/ATB)
〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-4-5
ワナミビル6F
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