孩子生産日記
(孩子=子供、生産=出産を意味する中国語)
第3回  
親の夢、子の将来。
 
 8月15日に3回目の検診に行った。食後にお腹はこんもりと盛り上がるけど(え? 食べすぎ?)妊娠しているとは思えないお腹。果たしてミニチョンは生きているのか? と、不安になってしまうほどだ。検査してもらうと、ちゃんと成長していた。9cmもあるらしい。どこに入っているのだろう? 超音波で中の様子をみると、必死に手足を動かしていた。パンチにキックと大忙し。香港のアクション映画を見すぎたからか、武闘派ベイビーを目指している様子。来月運がよければ男女の判定ができるらしい。今回の受診料はRM258。2ヶ月分のビタミン剤と鉄剤、魚のオイルが入ったカプセル(赤ちゃんの脳にいいらしい。)1ヶ月分、超音波検査等を含む。
 
 話変わって、私の夫は車が大好き。日本へ留学した3年間、バイト代で車を購入し、峠や走行会を観戦、大阪の某有名チューニング屋さんに入りびたり、バイトをさせてもらい、さらに去年にはそのマレーシア支店を立ち上げてしまったほどの車好き。そんな彼の趣味は愛車をセパンで走らせること。8月末に毎年行われるMME12時間耐久レースも毎年参加している。私と知り合った年には3位になった。その後は5位、去年は残り数時間を残しリタイアと残念な結果だったが、なかなか良い成績を収めていると思う。このレースには大手車メーカーはもちろん、日本や、香港からやってくるプロドライバーも参加している大きなイベントだ。もちろん、今年も参加した。私も排ガスとエンジン爆音をミニチョンに伝えるためピットで応援。胎教に悪いと皆に止められたけど、「ミニチョン一流ドライバー計画」の一環として参加。結果は他チームに接触され、早々のリタイアだったが、ミニチョンはパパチョンの走りを聞いていたはず。
 さて、そんな夫のミニチョンに託す夢はF1ドライバーになるということ。男でも女でも5歳からカートと、レーシングスーツを買ってやり、本格的に英才教育をすると言っている。「目指せ! M・シューマッハ!!」である。こんな話を日本人の友達にすると「ドライバーなんて、命かかった仕事より、有名チームのエンジニアになった方が安心・安定」と忠告される。夫は「M・シューマッハ並みのレーサーになったら、一生働かんでもお金が入ってくるから安定や。僕らもマネージャとして、世界を周れるしな。ま、命の覚悟は必要やな。スペアがおらんと・・・」と言い放った。「ス、スペア??」どうやら、我が家の第二子、第三子はミニチョンのスペアとなるらしい。う〜む・・・。 
 買い物に行ったついでに、ベビーカーやベビー服を見ていると、「ふ〜ん。高いな。安いのでいいやん」と無関心のパパチョン。頭の中にはミニチョンに与えるべくゴーカートとレーシングスーツで頭が一杯の様子。パパチョンよ、今必要なのはベビーカーとロンパースやで!
 こんな話を聞くと、「なんてヒドイ父親だ!」と思うかもしれない。でも、「医者や弁護士を目指せ!」というよりは夢があっていいんじゃないかと思っている。これで女が生まれたらどうしよう、と少々心配ではあるが・・・。夫とは逆に、私は自分の子供に絵を習わせたり、女の子だったらバレエを習わせたりしたい。プロを目指せなんて言わないが、優雅な娘と週末ショッピングなんて憧れる。ま、ガサツな性格の私の娘が、そんな淑やかになるとは思ってないけど、夢・夢・夢!! やっぱり、女の子が産まれることを前提に未来を考えてしまう。しか〜し、女が生まれて、夫に似たらちょっとヤバイ。私の夫は身長179cmの巨体。体格はガッシリ。顔は日本人では中日の谷繁選手に似ていると言われたり、ヒドイものだと俳優の夏八木勲と言われたり(私の夫、老けて見えるけど、まだ20代。夏八木勲(65)はダンディーやけどちょっと心外)。香港の人気歌手の張学友に似ている(本人は大満足)とも言われる。どちらにしても男らしい顔で、男だからいいものの、これが女だったら誰も相手にせんやろ・・・、というような、イカツイ顔なんである。美人の義姉に似てくれたらいいんだけど。男は少々不細工でも年頃になって、自分に合うスタイルを発見すればカッコよく見える。でも、女の子は要注意。やっぱり、私達夫婦からは無難に男が生まれたほうが幸せかもしれない。
 ミニチョンは早くも私のお腹に自分の命を宿したことに後悔しているかも・・・。産まれる前からこんなに大騒ぎする両親を持ってさぞかし迷惑なことだろう。でも、そんな両親を選んだのはミニチョン、アンタやで。覚悟しぃや。
 そうなんです。ダラダラ書いてしまったけど、今回紹介したかったのはこの本なんです。「わたしがあなたを選びました──鮫島浩二著」この本は、友人が薦めてくれた「産まれる以前の命が親に向けて語りかける絵本」である。特に、妊娠中ツワリがひどい時や、マタニティーブルーに沈んでいる時、子育てに疲れを感じている人が読むと、元気になれるし、今風に言うと「癒される」絵本なんである。私でさえも、心に「ジ〜ン」と沁みた一冊だ。年齢関係なく「親」が読んだら誰でも「ジ〜ン」となるはず。ただし、家庭崩壊寸前の親は読むべからず。読んだ後、「うちの子はなんでこうなったんやろう・・・。」と、惨めな気持ちになってしまうだろうから・・・。
 
     
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