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特別編 ◆
アジア現代演劇
コラボレーションプロジェクト |
| 国際交流基金 滝口
健 |
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「劇場に出かけてみませんか」、今回は特別編、東京からお送りします。
東京・三軒茶屋にある世田谷パブリックシアターが2003年〜2005年の3年計画で進めている「アジア現代演劇コラボレーションプロジェクト」のワークショップと中間発表会に参加してきました。このプロジェクトは、世田谷パブリックシアターの松井憲太郎プロデューサーが発案し、東南アジアを中心とした7カ国(マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、アメリカ、日本)の16名の演劇人による共同制作作品を作り上げようとするものです。2003年2月に最初のワークショップがおこなわれ、7月にはバリ島、10月には群馬県川場村に場所を移してワークショップが続けられてきました。
このプロジェクトがユニークなのは、最初のワークショップの時点ではどのような形でプロジェクトを進めていくかは全く決められておらず、すべて参加したアーティストの話し合いによって進められているということです。私も昨年2月のワークショップに一部参加したのですが、参加者が口々に「何でここに集まっているのかよく分からない」と言っていたのが印象的でした。しかし、数回のワークショップを経て、参加者間に強固な信頼関係が構築されつつあり、今回のワークショップでは、一つのカンパニーとしての一体感ができつつあるということが実感として感じられました。 |
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松井プロデューサーとは、以前に「あいだの島」という日本とマレーシアの共同制作作品で一緒に仕事をさせていただいたことがあるのですが、そのプロジェクトの最後まで残った疑問は「なぜコラボレーションをするのか」という基本的な問題でした。多くの作品は、まずコラボレーションありきになっていて、なぜ外国のアーティストと一緒に作品を作るのか、という根元的な問題が突き詰められてこなかったように思われたのです。
今回のプロジェクトは、この疑問に対する一つの回答と理解しています。共同制作を行なうか行なわないかを含めて全く白紙の状態から議論を始め(実際、最初のワークショップで「コラボレーションは不要である」という話になれば、プロジェクトはそれでおしまいという可能性もあったのです)、アーティストが十分に議論を尽くしながらその意味を追求していくという、国際共同制作の新しいモデルを提示できる可能性があると考えています。 |
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| マレーシアからプロジェクトに参加しているのは、前々回にご紹介した「Election
Day」に主演したJo Kukathas、マレー語劇の若手の旗手たるNam Ron、そして今年のキャメロニアン・アーツ・アワードで最優秀演出家に選ばれたLoh
Kok Manの3名です。その他の国からの参加者もいずれ劣らぬ実績と能力を有するアーティスト揃い。2005年3月の東京での公演のあとは東南アジア巡回を目指しているこのプロジェクト。その結果をマレーシアでも見ることができるかもしれません。 |
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| <本稿は日馬プレス第272号(2004年4月16日)に掲載されたものです。>
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