マレーシア・マイ・セカンドホーム・
プログラムのグループの中で何が?
 
渡邊 明彦

 マレーシア・マイ・セカンドホーム・プログラム(MM2H)のグループの中で、意見の相違があったらしく、はじき出された人と、グループの中心人物に心酔している人たちとが、ネット上で激しくやりあっている。
 グループの中心人物の意図はネット上ではよく分らない。おそらく、中心人物の周りの心酔者たちが勝手に書きなぐっているのだろう。おそらく、中心人物にとっては迷惑な状況なのだと推察している。
 最初は意気投合した5、6人のグループであっても、後になって意見が合わなくなり出て行く人、追い出される人がいるのは日常的によくあることだ。それは仲間内だけの問題であって、外部の人たちに見えるところでワイワイやれば、わたしのような人間から突かれることになる。出て行った人、追い出された人がいろいろ言うのもよくあることだ。その一人を寄ってたかって大勢でなぶりものにしている。「MM2Hの人たちは、こんなレベルの人たちか」とわたしのように観ている人もいる。

 わたしが外野席で観ている印象を書くと、はじき出したグループは、1984年に「麻原彰晃(本名-松本智津夫)」が設立した「オウム神仙の会(のちに、オウム真理教と改称)」が、麻原教祖の意向に沿わない、あるいは自分から脱会しようとした信者を殺害して排除したのに、何となく似ていると感じている。東京都は1989年に「オウム真理教」を宗教法人として認証している。同年に坂本堤弁護士一家を殺害している。翌1990年の衆議院総選挙に「真理党」25名を立候補させたが全員落選した。のちに、松本サリン事件、地下鉄サリン事件などの事件を起こした。要するに新興宗教が、なりふり構わずに信者をふやし、急速に伸びようとしているときの雰囲気に似ているように感じる。
 ロングスティ、MM2Hでマレーシアにやってくる人たちは、日本での企業人、仕事人間から解き放たれて、温暖で物価が安く、比較的治安のいい、だから暮らし安いマレーシアにやってきた人が多い。海外生活なれした人は少数派で、海外生活になれていない人たちが多いいようだ。海外生活になれていない人たちは、先にきている人や情報通の人たちと親密になろうとする。そういう人たちの生活の世話をする会社もあるのだが、多くの人たちはサービスの対価を払うよりも、ボランティアで、つまり無償で手伝ってくれたり教えてくれるグループに入りたがる。企業人時代、ビジネス社会での人間関係のしがらみや、団地などでの隣近所の付き合いの鬱陶しさや煩わしさから逃げ出したいと思ってきた人たちも、結局はこうしたグループに入ってしまう。所詮は国際人にはなりきれない、日本人なのだと思う。
 マレーシアでは企業の駐在員数は漸減傾向にある。大企業の駐在員とその家族のために発足した各地の日本人会もその会員数は緩やかに減少しているものが多い。日本人会の中には、設立の趣旨にそぐわないとして、ロングスティMM2Hできた人を入会させない方針であるものもあれば、日本人会とは別に自分の意思でやってきたロングスティ、MM2H、現地採用の企業人、マレーシア人と結婚した人などの会と並立しているものもあれば、何が何でも取り込んでいこうとするものもある。
 単純に考えれば、自分から望んでロングスティ、MM2Hで海外での生活をはじめた人と、勤務する企業の命令でやってきた駐在員とその家族とは水と油だ。3,4年すれば日本に帰るという事を前提に生活している人たちと、「気が向けばいつまでだってこの国にいたい」と思っている人たちとこの国、この国の人たちに向けた視線が違うし、生活スタイルも異なる。ただ、日本人会というと、大使館や総領事館、つまり日本政府がからんでいる公的団体というふうに思い込んでしまう人が多い。海外なれしていない人には、寄らば大樹の陰で安心感がある。
 誰もが一応は信用してしまう日本人会だから、かっては日本人会を舞台に利用して、自称コンサルタント、自称ボランティアがいろいろと企んでいた。日本人会会員の帰国などの情報をもとに儲けていた企業もあったし、新入会員に知人の不動産業者を紹介していたということもあった。ここ数年は聞かなくなったが、駐在員の家族同士で、勤務先の企業の力関係や、企業内での上下関係によって、女性同士の様々な恨みつらみが発生したこともあった。      
 ロングスティ、MM2Hのおじさんおばさんたちにとっても、一流大学を卒業して、一流企業に勤めて、そこそこの地位にいたというのが人物評価の対象になっているということを耳にすることがある。大学を中退し、まともな企業に勤めたことがないわたしから見れば「クソ喰らえ」でしかない。問題は大学で、企業で何をどのようにやってきたか?だと思うのだが。せっかく、日本的なしがらみから逃げ出してきたのに、自分でしがらみの原因を作っている人たちが大勢いる。
 オウムが東京都から宗教法人の認証を受け権威付けしたように、ボランティアだというグループには日本人会が権威付けになっている。グループは大使館やこの国の政府との関係も強調している。“サ”のつく職業の人たちがよくつかう権威付けと同じだ。そして、視聴率稼ぎの日本のテレビ局やロングスティなら売れると信じた出版社が、都合のいい一面しか見せないのにも便乗している。そういえば、オウムの美人の幹部信者を積極的に取り上げていたメディアが多かったが、オウムはそんなメディアを活用していた。
代表者の意にそぐわない人は排除される。排除された人は代表者の取り巻きたちによってたかって非難される。外野席からは、マレーシアのMM2Hの世界から、あたかも抹殺してしまおうとしているように見える。麻原の命令で消された信者を思い出すのだ。もちろん、オウムとは異なり、犯罪とは無縁の話だが。

 排除された人について思うのは、何十人、何百人もの人たちがグループを構成しているのだ。いろいろな意見があるのが当然で、いやなら自分から出てしまえばいいことだ。代表と意見が合わないなら、直接話し合って、離れていけばいい。外に出たら、そのグループや代表者に関することは一切言わないほうがいい。ネットを利用して、自分が正しいと主張したり、自分に同調する仲間に呼びかけたりするから、分派発動を仕掛けているように見える。だから喧嘩になる。「そんなことは言っていないし、やっていない(分派活動は意図していないと思います。)」といくら言っても、代表を信奉している人たちはそうは思わない。なにしろ教祖様は絶対と信じる熱狂的な信者たちなのだから。
 だいたい、この人のように自己主張のつよい人が、そんな仲よしグループに入ったことが間違いなのだ。だから、自己主張のつよいわたしは、極力そういうグループに入らないようにしている。日本人会にも、日本人商工会議所(JACTIM)にも入ったことはないし、これからも絶対に入らない。おそらく「入れてくれ」と言っても、門前払いされるだろう。それから、社会経験を積んだ40歳、50歳にもなれば、代表者と一、二度会って話をすれば、どういう人かわかるはずだ。
 この排除された人は、40歳。ロングスティ、MM2Hの中では若い。だから、五十代、六十代のおじさんたちからは「若造が何を言っている」と言われている。自分たちが六十歳になってやっと掴んだ自由な世界を、40歳の彼がやっている。しかも、自分よりも博識だ。「本人か奥さんが、きっと裕福な家に生まれたのだろう」というやっかむ人も大勢いるだろう。妬み、嫉みから、匿名での誹謗中傷がはじまっているのだと思う。醜悪な自分の心を自分の中で正当化するために、新興宗教の教祖様が必要なのだ。若造がいろいろ言うことよりも、いい年をした、孫もいるようなおじさんたちが匿名で他人に罵詈雑言を浴びせている図はひどく下劣だ。このおじさんたちは、覆面をかぶらなければ何も言えない臆病者で卑怯者、大馬鹿者だと思う
 大人の世界では、社会人となったら、二十代も三十代も、四十代、五十代、六十代も対等であるべきだ。わたしは柔道の後輩でも、ごく親しい数人を除いて、苗字を呼び捨てにして声をかけることはしないし、「○×君(くん)」などと年下や格下を見下したような呼びかけはしない。
もちろん、長幼の序はあるし、人間としてのスケールの大小もある、社会的なポジションもあるし、才能の差異もある。わたしが理解している限り、排除された人の識見は相当なレベルにあるし、それなりの勉強や経験もあるようだ。少なくとも、匿名で彼の悪口をネットに書き込んでいる人たちよりははるかに上の評価ができる。ただ、個人的には、40歳の彼のように、おふざけのハンドルネームという、顔を見せない(写真は出ているけど)匿名でネットの掲示板で書いている人は好きにはなれない。おふざけのハンドルネームをつかっている限り、まともには相手にできない。

   
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