マレーシアのロングスティに関して、さまざまな情報がインターネット上で流れています。個人が主催するホームページ、ブログ、あるいはロングスティ専門の団体や企業も情報を発信しています。
いわゆる生活情報、体験談、ビザ取得などの法律的な知識など多種多様の情報が乱れ飛んでいます。ネットを見て、これなら自分でもやれると思う人も多いと思います。気軽に、「ロングスティの仲間たちが助けてくれますよ」。「ビザでも自動車の持込でも自分でできますよ」という論調のものも多い。
【住宅について】
皆さん、気軽にやってきて、まず住む場所を見て歩く。日本のように不動産屋が何軒でも何十件でも、何日もかけて見せてはくれません。日本よりもはるかに安い家賃、購入代金で、真新しい、広々とした見晴らしのいいコンドミニアムに住むことができると説明されると、ついついその気になってしまう人も多い。借りてみて、買ってみて、二、三ヶ月して、「こんなはずじゃなかった」と気がつく人が多い。
きちんとした信頼のできる、しかも日本語が的確に伝わるロングスティの業者に委託するのが、無難でしょう。もちろん、日本人の業者でも儲かれば、あとはどうでもいいという業者もいるようですが、やたらといいことばかり言い、政府や公的機関との関係を強調する業者は要注意です。ボランティアという言葉をうかつに信じて、だまされた人が大勢います。
きちんとした業者は、大勢のロングスティの皆さんと接してきて得たチェックすべき質問をして、それぞれの人に考え方や生活の仕方に合わせて、必要な環境を見きわめるお手伝いをしてくれます。そういう情報はネットで得るのは難しいともいます。無料でいいものは得られません。あとで苦情を言っても、「わたしたちはボランティアで無償でやっているんですから」と責任を回避されるのが落ちです。
住宅を選ぶ基準は人それぞれですが、基本的には次のことをチェックします。
家賃をいくらに設定するか?
RM1000以下ではセキュリティー(保安上の保障)は期待できないでしょう。空き巣だけでなく、一軒家、連棟(リンクハウス)などでは強盗に遭う危険も考えたほうがいいでしょう。日本人が多くすんでいる、RM2000〜3000程度のコンドミニアムでも空き巣がはいって貴重品や電気製品などを盗まれることがあります。日本人駐在員や欧米人が多く住んでいるコンドミニアム、セキュリティーでブロックされた一軒家の地区などは家賃はRM4000以上、買えばRM50万以上、(RM100万以上の物件も多い)と高額ですが、それに見合ったセキュリティや施設、設備、サービスがあります。多くのコンドミニアムでは動物を飼うことは禁止されていますが、一軒やリンクハウスでは可能なので、保安上の理由もあって犬を買っている人もいます。一般的に、玄関や窓にはグリルという鉄格子を設置して防犯効果を高めます。鍵も二重、三重にします。賃貸の場合は家主と交渉して設置してもらいます。こういう交渉は、正規の業者に頼むべきでしょう。英語が不自由な人は、ロングスティの業者に委託するほうがいいでしょう。
日本の週刊誌が、「マレーシアは安全で治安がいい国だと言われたのに、鉄格子が必要なほど危険な国だ」というようなことが書いてありました。グリルは安全への投資なのです。先進国のアメリカでは、不意の侵入者に備えて拳銃をもっているではありませんか。
日本以外の国では、安産に投資するのは常識です。
日本の家屋には、玄関や窓にグリルをつける場所がありません。最近ではドアにドリルで穴を開けて鍵をはずして進入する窃盗団が横行しています。グリルがあれば、不良外国人のピッキング窃盗は容易に防げるのですが・・・。
ロケーション
まず、自家用車をもつか、もたないかによって住む地域が変わります。マレーシアの自動車運転、道路交通はタイやフィリピン、インドネシアほどではないものの、日本人には厳しい運転環境です。運転マナーというものは存在しませんし、信号などの交通システムも日本とは著しく異なります。日本と同じ「車は左側」だから運転しやすいと思ったら大間違いです。自動車をもたないとすると、「タクシーを呼べばいい」と考えますが、英語でタクシーを呼んで、行き先も正確に伝えなければなりません。そのタクシーも悪質なものも多いので、いい運転手を見つけるのが一苦労です。ふつうは車を持たない人は、LRTやバスのような公共大量輸送機関の便がいい場所を選びます。クアラルンプールに住む日本人ロングスティの多くはLRTを利用しているようです。それから買い物(ショッピング・センター)に行きやすい駅の近くを探します。ローカルの食材がよく分からない人、日本の食材が一番信用できると思っている人は「JUSCO」か「ISETAN」に行きやすい場所を選ぶほうがいいでしょう。それから、食べたいレストランが近くにあるかも重要要素です。とにかく安いローカルフードを食べるんだという人は、胃薬や消化器系に効く抗生物質が必要でしょう。どの店が美味しくて安全で、しかも安いか、地元の人々の流れを見きわめないと苦労することになります。
近くに日本人がいるほうがいいか
一般的に、日本人は群れをつくりたがります。日本人が多く住んでいる地域は、基本的には駐在員とその家族が大半です、ここ数年、各企業の駐在員の年齢層は若くなる傾向にあります。年齢的に、中後年が多いロングスティとは異なります。日本語だけで生活したい人は、クアラルンプールやペナンの日本人会に行きやすい地域を選ぶべきでしょう。
日本的なしがらみがいやで海外暮らしを選んだ人は、地元の人ばかりが多く住んでいる地域を選ぶべきでしょう。日本人のいないコンドミニアムは、車でなければ行けないものが多く、築10年以上のものが多いのですが、しっかりとした建物で使い勝手がいいものも多く、しかも安いという利点があります。
*地域をよく調べる
マレーシアだけでなく発展途上国の多くは多民族国家で、人種的宗教的な色分けが居住地区によってあります。また、階級社会でもあり、日本のように国民の大多数が中流(最近は日本でも階級格差が広がっていますが)というわけではありません。建物が超立派なのに家賃が安い、売買金額が安いという物件は要注意です。不法滞在の近隣国の労務者やスラムのような家が近くにあることもあります。気がついたら、思いがけない地域だったということもあります。交通上の利便などの理由で、宗教施設や学校の近くも避けるほうがいいと思います。
契約などになったときには、英語のよくできない人は日本人の経営するロングスティの業者に同行してもらうほうがいいでしょう。値段の交渉、設備や補修の交渉など、不動産には居住前も居住後も様々な問題がつきまといます。ボランティアの人になってもらえば金がかからないと考える人もいますが、ボランティアの人も時間をかけ頭を使い、友人でもない人のために無償でやるには限界があります。また、無償であれば、責任も発生しません。いい加減にやられてもあとの祭りです。そうしたサービスをする業者には責任がありますし、いい業者に当たればアフターケアもやってくれます。もちろん、有償ですが、安心、安全には替えられません。
【病気になったとき】
中高年になれば、様々な生活習慣病の可能性が出てきます。食中毒や風邪などの病気や転んで怪我などをしたときのことは絶対に考えておくべきでしょう。病気や怪我のときにどうするか?どこの病院に行くか?だれか頼りになる人は?支払いはどうするか?事前に心構えをして、準備をしておくべきです。
病気の種類や病状によっては、日本に帰るほうがいいケースもありますし、マレーシアで治療を受けるほうがいいケースもあります。マレーシアの医師は、その点を的確に指示してくれます。(わたしは14年前、頚部の悪性リンパ腫というガンになったとき、主治医は「転移性のおそれがあるので、最先端の検査機器や検査技術がある日本で、きちんと検査してくれ。その上でマレーシアで治療するならわたしがやる」と言われました。そdして、去年5月、マレーシアで咽頭がんの診断を受けたときに、主治医は「このがんの治療は、幾通りの高度な手術方法、器材、技術がある日本で治療するほうがいい」と言われました。二度もマレーシアの医師の適切なアドバイスに救われました。)
どの病院、医師がいいかは、患者と病院。医師との相性や得手不得手があるので、一概になんとも言えません。ただ、英語が得意であっても病気の時には、やはり日本語ができる医師や看護師がいるほうがいいと思います。現在の病状だけでなく、過去の病歴や体質、性格も理解してもらう必要があります。ふだんから、日本語も英語も両方堪能で気心が知れた、マレーシアの医療に詳しい友人がいるといいかも知れません。
マレーシアの医療システムは日本とは異なります。病院によっても多少異なります。看護師の対応にも違和感があります。メディカル・ケア・システムも未整備です。治療費を支払った後に、日本で国民健康保険の適用を受けることもできます。出発前に市町村の国民健康保険課に行ってパンフレットをもらってよく読んでおくべきでしょう。
わたしたち外国人はほとんどの場合、民間の高度の医療設備をもった病院(メディカル。センター)に行きます。日本ほどひどくありませんが、治療費を払わないで逃げてs舞う人がいるらしく(日本人もいたそうです)、保証金を払わないと治療が受けられないシステムになっています。そうとは知らなかったロングスティの男性が、引ったくりに遭って頭部に怪我をした奥さんを連れて病院に行ったら、診療を拒否されたと日本の週刊誌に載っていました。要するに、病院に行くときの準備など必要性の高い情報、常識というべき情報を誰も教えてくれなかったのか、聞き漏らしたかだったのでしょう。
ロングスティの情報は、ネットでの情報集めや、民放テレビやいいことばかりの講演会などから、皆さんの元に入っていきます。でも、たとえばMM2Hのビザ取得に関する規則は時々変更されます。本来はイミグレーションの管轄であるはずのMM2Hのビザ発行の窓口は観光省が行っています。イミグレーションとしては面白くない事態でしょう。観光省は2,3年前までは芸術・文化・観光省でした。組織が変わり、法律も少しずつ変化しています。わたしから見れば、よりマレーシアのニーズにあった人たちに来てもらいたいという進歩だと思います。法律の解釈は担当者それぞれ若干の差異があるようです。最近では、皆さん苦労されているようです。業者に委託すれば、すべてが円滑にいって、ビザが取得できるという保障はありません。それでも、業者は飯の種ですから一生懸命にやるはずです。
法律に関することは、わたしたちには分かりずらいことが多く、就労ビザも100%取れるという保障はありません。最終的にはイミグレーションに判断によるものです。自家用車の輸入についても同じです。輸入手続きは最終的には税関の役人が判断することです。だから、観光省やイミグレーション、税関などとの人脈を持っている業者に委託するほうが現実的なのです。もちろん、「俺は自分でやる」という人はそうすればいいのです。 |