マレーシアでロングスティをしている日本人の多くは、東南アジアでもトップクラスの高原リゾート地として知られるキャメロン・ハイランドに関心をもっている。大手旅行会社による下見ツアーでも、主要な目的地であるペナンとクアラルンプールの間に、キャメロン・ハイランドを入れている。
キャメロン・ハイランドには久保田豊さんが呼びかけた「キャメロン会」と「キャメロン・ハイランド・クラブ」という二つの親睦団体がある。元々は「キャメロン会」ひとつの会だったのだが、関西系のロングスティヤーが分離独立して「キャメロン・ハイランド・クラブ」というNPOを立ち上げた。この分裂騒動の推移を見ていて、50代、60代をすぎると「おれが、おれが」という自意識が強くなる日本人の嫌な面を見せられてあまりいい感情をもてなかったという記憶がある。
日本人が三人以上集まると仲良しグループができて分裂することがよくある。日本人特有のしがらみが発生する。でも、「なにも、外国であるマレーシアのキャメロン・ハイランドに着てまで日本人同士のしがらみや派閥を作って勢力争いをすることはないじゃないか」、「そんな日本の社会独特のしがらみから解き放たれたくて海外でロングスティしているんじゃないの?」と思ったのだ。
わたしは「キャメロン会」創立以前から創立者の久保田さんをよく知っている。金銭欲も名誉よくもない久保田さんの意図は「キャメロン会」の会設立の目的に書かれています。
会設立の目的
「キャメロンハイランドでロングステイする意思を有する会員相互の親睦を図り併せて現地の人々との交流を促進する」が本会の設立の主旨です。多くの仲間や現地の人々とスポーツ、文化活動を通してキャメロンハイランドでの生活を楽しむのが目的です。
わたしは“マレーシア・マイ・セカンド・ホーム・プログラム”のように、マレーシアに住みつづけるロングスティもあってもいいし、キャメロン会の人々のように、日本の冬や真夏といった磁器を選んで、気が向いたときにマレーシアにやってきて、1ヶ月、二ヶ月滞在するという考えは、いい考えだと思っていました。できれば、活花とか日本舞踊とか、柔道、剣道、合気道のような日本の伝統文化を見せて、地元の人たちと交流してくれればもっといいと思っていました。でも、それは自分のできる範囲で、無理をしないことだと思います。
わたしのようにノドに障害があって、日本の冬の寒さと乾燥が耐えられないという疾患の持ち主には東南アジアの国々は非常にいい環境です。喘息もちの人、花粉アレルギーの人、高血圧の人にはキャメロン・ハイランドの自然は身体にやさしいと思います。自分の健康にあわせて、よりよい環境でロングスティをするのもいいでしょう。
ロングスティには、いくつもの考え方があります。まず、この国の人々、文化、民俗、風習、自然、が好きになって、たのしく過ごすことができるかが大切です。そして、自分は日本人であり、この国の人から見ればアジアで一番豊かで文化的な日本という国からきたということを忘れないことだと思います。
一方の「キャメロン・ハイランド・クラブ」の目的は
第3条 この法人は、マレーシアのキャメロン ハイランドで、長期滞在者同士が連携をとりながら、現地の人たちとの交流を深める事業を行うことにより、もってマレーシアと我が国との国際協力の推進に寄与することを目的とする。
とあります。前半の部分は「キャメロン会」と同じだと思います。後半は、高邁な理想があるのでしょうが、個人的には「ちょっと背伸びしすぎかな?」と感じています。大阪府知事の認証を受けたそうですが、わたしのように偏屈な人間は、「大阪府」とか「大阪市」と聞くと、“伏魔殿”といったイメージが強くて、逆に信用できないように思えてしまうのです。もちろん、「キャメロン・ハイランド・クラブ」は公明正大なNPOなのですが・・・
マレーシアが好きで、キャメロン・ハイランドでの生活をたのしんでいる人たちの多くは、地元の人たちと親しく接し、敬愛されています。しかし、一部の人たちが、日本にいたらとてもできないような破廉恥な行動をとっています。キャメロン・ハイランドにも、“経済難民”とか“年金難民”と呼ばれる人がやってきて、いかに生活費を切り詰めるか?だけでなく、日本人の観光誘致が目的で格安となっているゴルフ場のグリーンフィーまで「高い」と言いがかりをつけてくる人もいるといいます。
キャメロン・ハイランドはマレーシアの高級リゾート地であって日本人のスラム街、貧民窟ではないのです。キャメロン・ハイランド・ゴルフ・クラブのオーナーは地元のメンバーの人たちであり、植民地統治時代のイギリス的な上流の社交の場として1935年に造られた、美しい景観の伝統あるゴルフ・クラブです。
地元の人がゴルフをたのしむウィークエンドでさえ、クラブのメンバーではない多数の日本人ロングスティヤーが我が物顔でコースを占領したりしていました。強引に要求した日本人のシニア向けの割引料金なのに、二十代の日本の団体のメンバーがシニア割引料金でプレーをし、事務局職員の激怒を招いたり、日本人単体のメンバーでないロングステイヤーが割引き料金の適用をもとめたりすることもありました。また、クラブハウス以外の場所からコースに侵入して料金を払わずにプレーをしたり、コース上で大声で騒いだり、遅いプレーなどで地元のメンバーの不興をかうことがしばしばあったそうです。
2002年1月から二つの団体の会員はRM26.25だったそうです。ゴルフが格安でできるからという理由で、日本人の団体に入った人も多いようです。日本円で800円に満たない料金でゴルフができるのです。それが二倍になっても、まだ、マレーシアでも最低料金の部類です。感謝することがあっても、不当に値切ったり、マナーに反することをするのは、地元の人との親睦という目的から逸脱しています。
キャメロン・ハイランド・クラブのホームページの「キャメロン ハイランドで遊ぼう」には、“*キャディーを雇わずにセルフで回れば、RM26.25+RM8.0=RM34.25(約1030円)で1ラウンドが出来ます。”とか“キャディーフィーはハーフでA:RM9(約270円)B:RM8(約240円)チップを入れてRM9-RM10です。最近更なるチップを要求されることがありますが、RM10(18ホールRM20)以上は払わないようにしたいものです。” と、いかにも関西人らしい文が記載されています。これを読むと、「ロングスティさせてもらって、地元の人たちに感謝している」とわたしに言っていたこの団体の創設者の意見に矛盾すると感じてしまいます。
狭いキャメロン・ハイランドでは仕事は限られています。不規則な収入であるキャディーをやっている人たちは、生きることに必死なのです。法外なチップは必要ありませんが、ゴルフをたのしませてくれたキャディーさんには、感謝の意味をこめて相応のチップをあげるのは常識です。また、キャディーを雇わずにセルフで回れば安くできますと、親睦と交流を進めている団体が記載するのはどうかと思います。地元の人たちに恩返しするという気持ちが本当なら、仕事をする機会をふやすことに協力するべきでしょう。
地元の普通のゴルファーや役所の人々にはに、キャメロン・ハイランドでの日本人ロングステイヤーのゴルフのマナーは「経済大国であり先進国の日本からきた、おれたちはキャメロン・ハイランドに金を落としてやっているんだ。何百人もメンバーがいるんだぞ」という思い上がりだと感じていたのでしょう。エチケット知らず、マナー知らずで、傍若無人と感じてはらわたが煮えくり返っていた地元の人も多くいたはずです。
事実、キャメロン・ハイランドの行政機関は、2008年3月3日、日本人の団体に対し、これらの団体の証明書は信用できないと断定し、料金の値上げを通告してきました。それでも、二つの団体のメンバーはRM36.75、メンバー以外はRM42.00と超格安なのです。それでも、割引率が低いと不満を言う人がいたそうです。
わたしは一年中涼しくて、緑が多いキャメロン・ハイランドが好きで、年に一、二度は行っています。けれども、日本人ロングステイヤーが多く住むタナラタの街では中国人のふりをして、日本人のおじさんやおばさんとは口をきかないようにしています。なまじ、多くの情報が耳に入る仕事をしているだけに、おかしな人は数%だけだと思っていても、その数%のおかしな人たちと付き合いたくないという思いが先に立ってしまうのです。どの人が数%の非常識、ノーマナーの人なのか顔に書いてあるわけではありませんから・・・。 |