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シンプラン・バハサ(7)------マレーシア風情編 |
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シンプラン・バハサシリーズをスタートし始めたときに、私は始めに「成句(常用句)は、2単語以上からの言い回しでマレー語ではSimplan
Bahasa。ことわざPerumpamaanは昔から世間に広く言い伝えられてきた教訓、真理を短く表現したもの。 BidalanやPepatah
の 格言とは、人生の微妙な真理を捉えて世人に対する教えやいましめを簡潔に表現した古代の言葉」と説明し、それらを全部ひっくるめてシンプランバハサと表現していた。ここでもう少し詳しく、明確な4種に分類して説明したい。 その4種とは、Simplan Bahasa(熟語)2〜3語で、直訳の意味とは違う意味を持つ。 Bidalan(格言)夜になったら早く帰りなさいとか、忠告のようなことわざ。Pepatah(格言)伝来の風習から成り立ったことわざで、社会の生活の手引きとなっている。Perumpamaan(比喩)文に〜ようだから、とかの比喩を使用する。 今回は、マレーシアらしいもの、人生感あふれるシンプランバハサを拾ってみた。素材がマレーシアらしもの、発想がマレーシアらしいもの、まさに環境から来る人生概念に行き着くものだ。生活には色がある。臭いがある、ということで、前回の糞の続きではないので、ご安心くだされ。 Air tenang jangan disangka tiada buaya.----- 直訳は、水面が静かで動かなくても、ワニがいないだろうと思ってはいけない、ということで、無口な人を臆病とかバカとか思ってはいけない。 彼はもっと利口かもしれないし、危険かもしれないんだぞ、という意味だ。 これと似たような英語には、<Still waters run deep.>(静かな流れは水が深い)というのがあって、日本語でも、「能ある鷹は爪を隠す」実力のある人はそれを隠している、ということわざがある。 Bahasa jiwa bangsa.----- 直訳は、言葉は民族の命だ、となるが、意味もその通りに受けてよいと思う。各民族をいうのは文化ルーツの一部に言葉というアイデンティティーがあり、それは最も重要なものだ。 Bumi mana yang tidak kena hujan. ----- 直訳は、どこに雨の降らないところなんてあるのか、で意味は、どこに間違いを犯さない人間がいるものか、人は間違いを起すものなのだ、ということだ。 Lain orang yang makan nangka, lain orang yang kena getahnya. ----- 直訳は、ナンカを食べる人、その樹液がくっつく人、であのバカでかいナンカ(ジャックフルーツ)の外皮の内部には樹液があり、中の果実を取ろうとすると、手がベタベタになってしまうものだ。 意味は、他人の間違いに関係のない人が罪を被ること。 Membilang dari esa,menjadi dari alif. .----- 直訳は、1から話し、文字はアリフから始まる。アリフというのはアラビア語の一番初めのアルファベットで英語でいうとAにあたるようなものだ。イスラム教徒であるマレー系はアラビア語で書かれているコーランを読む。意味は、それぞれの仕事は規則にしたがって最初から始めよ、ということだ。マレー語で1はsatuだが、ケランタン州やトレンガヌ州では方言でsaまたはseともいう。 Orang mandi berselam,kita mandi bertimba. .----- 直訳は、人は潜って水浴びをする。私達は水を汲んで水浴びをする。意味は、他人は何回も利益を得るのに、私達は少しだけしか利益を得ないこと。限りのない水源で水を得ている水浴と、大きなバケツからちびちびすくい取っては体にかける水浴が対比して想像でき、水が利益の代語になっているのがよくわかる。 さて、最後に、マハティール首相の引退に向けて、ことわざをひとつ。 <Tak akan kerana seekor ayam tidak berkokok,hari tak siang.> たとえ鳴かない鶏が1羽いても、昼は必ずやって来る。 10月に引退を控えているマハティール首相に、歴史が長いマハティール首相のリードなしのマレーシアなんて・・・と心配をしている人がさぞ多いことだろう。このシンプラン・バハサは、まさに今のマレーシア国民に伝えたいもので、「1つの国に1人だけ凄い人がいるわけではない。もし彼がいなくても、物事は普段通り流れていく」という意味だ。もちろん首相は稀にいない優れた人物だったが、誰しも、永遠にその1人に頼っていくことは不可能というものだ。そして、マレーシアの未来は、各人が作り上げるものなのだ。 |
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本稿は日馬プレス第255号(2003年8月1日)に掲載されたものです。 |