最愛の友だったバイオ君が生きるか死ぬかの瀬戸際の入院中で、私の心はどうもハイランドでゆっくりと、なんていう気分からはほど遠くて55%は乗る気がしなかったのだが、子供たちとも約束してしまったし、しょうがない、いっちょ行ってくるか、と一路車で南北ハイウエーをKLからイポー方面に北上した。
さて、今回は2度目のキャメロンだ。初めて行った時は、バタフライファームだのストロベリーファームだのと観光地めぐりで終わってしまったので、ぜひ、涼しい高原でトレッキングをしてみたかった。キャメロン会の久保田さんの本でも紹介されているように、ここでのトレッキングコースは初級者向けから、上級者向けまで、14コースある。KLでは、ちょうど暑いさかりの時期だったので、熱帯に拒否反応を示していた身体と心共々涼しさを求めて時期でもあった。
| 私たち一行は、前回とうってかわってスムーズに高速でタパまで来た。高速で一本なのにスムーズに、なんておおげさな、と思われるかもしれないが、数年前に初めて行った時は、何を考えてか、私たちはクランタン方向を目指した高速に乗ってしまい、フレザーヒルの中を迷いこんだ挙げ句、その山脈を突っ切るのに苦労し、なんと8時間もかかってしまった覚えがある。あの時は、間違った道から再度キャメロンを目指したので、人に聞き聞き、フレザーヒル内山道急カーブの道のりの長いことにこっちは疲れ、運転手も疲れ果て、車の中でお互いにふてくされていた。しかし、やっとタパが見つかり山道を入っていったところの目の前に広がった一面の茶畑山に出た時には、そんな気分も吹っ飛び、そこで風景を一望しながら飲んだテーは最高で、いつしかお互い苦い顔も消えていた、という思い出がある。ここは、タナ・ラタの手前のバラット・ティー農園だ。キャメロンハイランドの名前の由来は1885年にこの地を地図つくりのために探索した当時の英国政府の調査官Cameronに取ったものだ。 |
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タパまでは2時間弱で着いてしまい、本当はこんなに近かったのね、とも思いきや高速を降りた後のタナ・ラタの町までの約60kmは結構長く感じる。曲がりくねった道沿いには収穫したての竹の子やパタイ、ブンガ・カパス、蜂蜜、トンカットアリ、ドリアンなどを並べ売っている先住民がいくつかあり、シーズンのせいで、高い木にドリアンをたくさん実らせてぶら下げているのが遠くからでもわかる。まるで、チェリーが枝から下がっているようだ。山道は、数年前とあまり変わっていないようだったが、所々の山壁は、土砂崩れを心配してかコンクリートで固めている最中だった。そんな箇所が数箇所あったが、そのところだけは、ジャングルのシットリとした空気もなく、やたらに乾燥している感じだ。部分部分でも土臭さが減るということは、味気ない。こうして人間の手がどんどん加えられて、そこの土地らしさもだんだん失っていく場所を見るたびに、開発というものへの意味を考えさせられる。 |
スクールホリデーとあって、ホテルは満室だった。あらかじめ出発前に大小混ぜて20件以上電話して空室状況をききまくったうち、電話で予約がやっととれたのは、数件の小さなタウン・ホテルだった。私たちは、タナ・ラタに到着してからもホテルをあたってみたが、やっぱり満室。あきらめて家から電話予約を入れておいた、小さなホテルに一応腰を落ち着かせた。
(つづく) |