今回のサラワクへの旅は、今までのうちで最高の旅になった。サラワク文化村は今回のようなミュージックフェスティバルを催すには最適の場所だ。熱帯雨林を抱える大自然を舞台に世界各国から来たミュージシャンが、それぞれのお国の音楽を持ち寄って紹介する。フェスティバル最終日までずっと、インスピレーションが溢れ、平和を愛する雰囲気が満ち満ちて、地上の楽園ってな感じ。写真を見てやってくれよ。僕が思うに、マレーシアで開かれた国際 |
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的なミュージックフェスティバルで、こんなに心に響いたコンサートなんてなかったな。(ほんと、実際ジャズのフェスティバルくらいかな、こんないい雰囲気だったのは)来年も絶対来ようと心に決めた。たぶんちょっと興奮しすぎなのかもしれない。実のところ僕はワールドミュージックの熱狂的なファンには程遠いんだけど、今回でちょっぴり考えが変わったね。彼らは決して世界中で注目されてるスーパースターではないけど、彼らの演奏には自由があり、そこにいるだけで僕までファンキーな気分になれた。しかもフェスティバル数日前まで土砂降りだったにもかかわらず、大会中の三日間だけぽこっと好天気に恵まれた。
僕が一番感激したのは、ミュージッシャン達と直に会えたことだ。このミュージックフェスティバルはただ聞いて、見るだけのイベントとは違って、ワークショップを通じて、個人的にミュージシャン達と話ができる。彼らの音楽活動や、今までの経験、音楽に対するビジョンやコンセプトなど、いろんなことを本人達から聞ける。そして、世界中のいろんな人とあらゆることについて(メインはもちろん音楽だけど)それぞれの意見を交換する場もあって本当におもしろかった!
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フェスティバル当日、文化村には色々な飲食屋台だけでなく美術工芸、フェスティバル記念品、サラワクお土産品、フェスティバルに参加したミュージシャンのCD等を売る諸々の店が立ち並び、いやが上にもフェスティバルの雰囲気を盛り上げる。チケットの値段も良心的で、3日間通しでたったのRM120。各日の入場券はRM55だった。
オーディトリアム、イバン・ロングハウス、オラン・ウル・ロングハウス、トップハウスの4会場で、同時にワークショップが開かれた。これは昼間のアクティビティーとしては秀逸なアイデアだと思う。僕らはどのワークショップに参加しようかと、真剣に彼等の演奏を鑑賞した。このワークショップは2時から4時半までで、民族音楽講座、ジャムセッション、ダンスワークショップや語り、ミニコンサートなど。その後7時半からメインステージで真夜中までコンサートが開かれる。昼間のワークショップをカバーするのは結構たいへんだ。オーディトリアムで竹でできた楽器全員集合のワークショップが行なわれている一方で、他の会場ではパーカッションワークショップが開かれているといった具合で、ほんとうに見たいのはどれか慎重に選ばなくてはならない。全部に出ることはできないし、この辺りもうちょっと工夫がほしいなと思った。
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ほとんどのワークショップは、ミュージックloverで一杯だった。エアコンの効いたオーディトリアムでも、ぎゅう詰めのむんむんしたロングハウスでも、外の草地に座ってさえ、観客はあふれ、入り切れないこともあった。実際Skin
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Shakersのパーカッションワークショップではそうだった。イバン・ロングハウスのベランダで行なわれたのだが、一生懸命首を伸ばしても演奏のようすは見えない。司会の紹介がちょっぴりあったと思ったらいきなりドラムのビートが始まった。ニュージーランド、ブラジル、イギリス、バグダッド、ラテンアメリカなど世界各国から、ゴングやコンガなどお馴染みのものからアルファイア、レバナ、ダラブッカ、イルなど珍しいものまで、さまざまなパーカッションによるノンストップのハートビートセンセーションだった。聴衆とミュージシャンの間をエネルギーが回りめぐっているのが感じとれた。このステージで僕は、ドラムが音楽をグルーブさせている根源なんだ、血液を体中にめぐらす心臓の拍動なんだということを実感した。ドラマー万歳!
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観客の大部分は文化村側のダマイ・ビーチ・リゾート、サントゥボン・ビーチ・リゾート、キャンプ・ペルマイに宿泊していたが、中には会場から目と鼻の先のサントゥボン海岸でテントを張っていた者もいた(蚊よけスプレーが最重要アイテムになっただろうな)。そこならよっぽど寝ぼすけのなまけモンでない限り、ワークショップを逃す気遣いはないってもんだ。クチンの街に滞在した人は、ホリデーインから2時間ごとに出るシャトルバスを利用して45分で会場まで行ける。フェスティバルに参加するのに多くの人が3ヶ月前からホテルの予約をとっていたらしい。
ホテルのチェックをしている間に僕はばったり小さな小屋にぶつかった。そこでは耳を長くしたオラン・ウルの年寄りが、ジャトゥン・ウタンという木琴の一種や刀、狩猟用の武器などを作っていた。彼は親切に、どんなふうにして刀を作るのか説明してくれた。専用ベルト付きの
刀を作るのに1週間かそこらかかるそうだ。
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夜のコンサートは連日、地元のミュージシャンの演奏で幕を開ける。初日はオラン・ウル、ビダユ、イバン混成のダヤ・エスニックオーケストラ、2日目はイバン、メラナウ、オラン・ウル、ビダユの子供達が伝統音楽とダンスを披露、3日目はムル地方のロン・ラプとロン・ラマから、オラン・ウル音楽のパイオニア、バランメロディーの演奏だった。多くのバンドの中で特に印象に残ったものをいくつか紹介しよう。まずアフリカはマリから来たISSA
BAGAYOGO。「母船UFO飛来!」カメレ・ニゴニ(6弦リュート)を持ったバンマスの姿を見て僕は思った。テクノっぽいビートに乗せて古のメロディーを奏でる。それにセンセーショナルなボーカルとセクシー(のつもりなんだろう)なダンサーが絡む。ギターはかっこいいブルージーなフレーズを聞かせてアラビア風のフィーリングを加える。全体としてユニークな西アフリカのサウンドを作り上げていた。
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インドネシアのSundaneseは強烈なパーカッションとクールなガムラン音楽のオーケストラの取り合わせ。17人のメンバーでステージいっぱいの楽器を華麗に操って第一級のパーフォーマンスを見せてくれた。ブラジルのSilverio
Pessoaはきっとこのフェスティバルでの一番人気。フォッロのリズムが生み出すエネルギーは驚異的!ヒップホップやロックンロールをミックスして独特なサウンドを創り出していた。
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フェスティバルの初日から僕は世界中のすばらしい音色のパターンを楽しんだ。ちょうど蝶の羽にサイケデリックなさまざまな色彩とトーンを見出すように、いろんなリズムやメロディーが混ざり合い、蝶の羽になって自由に空を飛びまわっているようだった。どこへ飛んで行こうと僕らはただ座って驚き魅惑され、その後を目で追うだけ。ふーむ、深いな。このミュージックフェスティバルは、平和と自然を愛する心で人間と自然をひとつにし、自然と伝統をどう大事にしていくかを教えてくれた。そしてこの精神を次の世代に伝えていくことが僕達の使命なんだ。
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ミュージシャンの端くれとしては、常日頃バンド仲間と言い合っている「音を感じる」とか「リズムキープ」とかじゃなく、コミュニケーションが大事なんだと実感した。たとえば今回のバグダッドとジンバブエのバンド。彼らがどんな曲を演ったか正直なところ思い出せないけど、その優しくてすばらしい平和というメッセージは確実に心に伝わった。今やばらばらなパズルのピースになってしまった世界を、僕らが一緒になっていかに平和(ピース)な世界に戻していけるか、彼らの音楽はそう語りかけていた。つまるところ音楽というのはミュージシャンと聴衆の間の相互作用なんだ。ステージの上でどうしていけばいいか、僕はクリアなビジョンをつかんでいた。
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レインフォーレスト・ミュージックフェスティバルに参加しした国とミュージシャン
★BAUL BISHWA (ベンガル、インド)
吟遊詩人による楽しい音楽
★BLACK UMFOLOSI (ジンバブエ)
アカペラ・ソングとダンスのズル・グループ
★ISSA BAGAYOGO (マリ)
モダンなダンスサンプルをミックスしたワッソロウ・ミュージック
★MAS Y MAS (英国)
ラテン・ジプシー音楽のトリオ
★MOHRAM (マレーシア)
マレー伝統の音にモダンな要素をフュージョンさせたデュオ
★SAMBA SUNDA (インドネシア)
スンダンからの17人編成バンド
★SIDI GOMA (インド)
失われた700年の伝統を求めて彷徨う行者
★SILK AND BAMBOO (日本)
尺八と琴からなるグループ。マレーシアでインド舞踊の第一人者と知られるラムリー・イブラヒムと共演
★SILVERIO PESSOA (ブラジル)
伝統音楽のフォロに近代性をミックスしたグループ
★THE DOGHOUSE SKIFFLE GROUP (英国)
ユーモラスな音楽集団
★TE VAKA (ニュージーランド)
南半球からのダンスと丸太のドラムによる心地よい音楽
★TAMMORRA (イタリア)
シチリア島からの魅惑のタランタラ音楽
★FAWZY AL-AIEDY
- PARIS-BAGDAD ACOUSTIC
イラクの伝統とフォーク音楽 |