<番外編>

食 風 タイ編
コサムイ-もうひとつの「Asia」
BERJAYA AIRで微笑みの国へ
 マレーシアでの長期滞在中、4日間休みがあったらあなたは何をする? 貴重な休日を有意義に過ごしたいあなたにオススメしたいのが、タイ・サムイ島(コサムイ)への小旅行。海外旅行といえば、国際空港までの遠い道のりや空港での長い待ち時間はつきものだけど、貴重な時間をそんなことに費やしたくない・・・でしょ? ベルジャヤエアでサムイ島に行くなら、KL市内から車で約30分のスバン空港から。ほとんどが国内線のスバン空港は混雑もなく、チェックインも1時間前でOK。48人乗りのプロペラ機に乗ってひとっとび。あっという間に国境を越え、約70分で南シナ海に浮かぶリゾートアイランド・サムイ島に到着する。今回はKLからサムイ島への3泊4日の旅日記をご紹介。
『1日目:KLからサムイへ』
 スバンからあっという間にサムイ空港到着。タラップを降りるとカラフルなペイントのトロリーバスに迎えられ、南国情緒たっぷりのオープンエアのターミナルへ。まるでここが空港ではないかのようなリラックスムードにびっくり。入国審査もさらっと終わって、これが海外旅行だなんて信じられない。
 ホテルへチェックイン。「ワイ」と呼ばれる合掌とおだやかな笑顔に迎えられて、ここが仏教国であることを実感する。国民の約95%は仏教(上座部仏教)を信仰するというだけに、どこに行ってもこの「ワイ」に出会う。不思議と穏やかな気持ちになり、こちらも合掌で返す。言葉が通じればもっといいなと思うけれど、お互いの合掌で気持ちが通じるのもそれはそれで嬉しい気がする。
 ディナーはビーチフロントのレストランでタイの代表料理トムヤムクンや、シェフに勧められた牛肉と野菜の炒め物などに舌鼓を打つ。早速のノーハラル天国。どれもちょっぴりスパイシーでパンチが効いているが、意外にあっさりしていて食べやすい。波の音を聞きながらというシチュエーションも手伝って、1日目にして満足度高し。ホテルのスタッフと「日本について」の話題で盛り上がる。「日本といってまずイメージするものは?」ときいたら「イッキュウサン」。アニメ「一休さん」がテレビで放送されて国民的人気となったそうで、「How to think」 についてとても勉強になるのだそうだ。さすが仏教国!!
 
『2日目:ボートトリップツアーで大海原へ』
  早朝のブライトブルーの海を眺めながら朝食。気がつくと浜辺を散歩中の犬が私を見上げている。誰かに飼われているふうでもないが、マレーシアでよく見かける野良犬のように「虐げられて餓死寸前」といった感じでもない。そういえば、サムイでは犬が多い気がするが、健康そうでのほほんとしているように見える。観光地で食料に困らないからだろうか。
 ボートトリップツアーに出発。ツアー客はほとんどがヨーロピアン。海外からの観光客はアラビアンが多いマレーシアとはずいぶん事情が違うようだ。欧米からアジアに異文化体験に来る場合は、やはり最初に仏教国が浮かぶのだろうか。
 高速ボートは波に逆らって大きくジャンプしながら進む。ボート前方は阿鼻叫喚の現場と化したが、ヨーロピアンカップルは大きなヘッドフォンを着けたまま、音楽を聴くのを決して止めなかった。途中、このボートが私たちの行き先であるタオ島ではなく、マリンパーク行きであることが判明。とはいえ、すでに360度囲まれた海の上で為すすべもなく、行き先変更。タイ人スタッフの話す英語は、同行していたマレーシアンチャイニーズにうまく通じないようだった。ところで、マレーシアで話されている英語を「マングリッシュ」と言ったりするけれど、タイ人が話す英語はなんて言うんだろう?「タイングリッシュ」じゃ、うまくいったようでいて字余りだし。
 マリンパークに到着し、早速海の中へ。シュノーケルをつけて潜ってみるとそこはお魚天国。雨が降った後らしく、透明度は決して高くはなかったが、熱帯のカラフルな魚達としばし戯れる。そのあと、ボートはいくつかの島を遊覧。
 午後はシーカヤックやビーチバレーなどで思い思いに過ごす。こんなツアーに参加していてもシュノーケリングも何もせずにひたすら本を読んでいるヨーロピアン女性が気になる。よく日本人はせかせかしてせっかくの旅行をリラックスして楽しめていない、と言われるけど、ヨーロピアンもリゾートに頑なに日常を持ち込んでいる気がしなくもない。まあ、好きに過ごしたらいいんだけれど。
 ホテルのスパでアロマテラピー体験。同行の男性スタッフと同室で・・・? 自ら閉めたカーテン越しに「ねえ、これってハネムーナーと間違われてるよねー?」と笑いつつ、そんなことどうでもよくなるくらいの夢心地に突入。アロマテラピーは寝る前に限る・・・。熟睡・・・。
 
『3日目:サムイ島観光ツアーに行ってみる』
 ビッグ・ブッダ、モンキー・センター、ナ・ムアンの滝、ワット・クナラム等の観光名所を車で巡る。金ピカのビッグ・ブッダに圧倒された後、隣の寺院で床に座っていた僧侶に「おいでおいで」をされたので近寄って正座してみる。私の右腕に白い紐状のものを巻き付け、タイ語で何やら経文を唱えた。そして最後に英語で「Good Luck」! 有り難く合掌。じっと見ていたドイツ人の女性も私のまねをして正座、合掌。慣れない様子がなんだかかわいらしい。
 モンキー・センターで猿がヤシの木にのぼって実を取ってくるショーを見る。猿は調教師の合図に忠実に働き、器用にヤシの実をくるくる回し、ぽとん、と落とす。思わず拍手。希望者には猿を肩に乗せて写真を撮らせてくれる。猿は思ったよりもずっしりと重く、そして思ったよりも柔らかい。
 ナ・ムアンの滝では、象に乗ってトレッキング。大きな象の背中にくくりつけられた椅子に座ってジャングルの中をゆっくり散策。象使いの青年が私の顔を見るなり、「ゾーウサン、ゾーウサン、オーハナガナガイノネー」と歌い出した。聞けば世界各国から観光客がやってくるので、たいていの国の挨拶言葉や「象」という言葉、象にちなんだ歌などは知っているという。こんなところにものすごいバイリンガルが! ここにいた象の家族は雄1頭、雌2頭、子供2頭の合計5頭。国は仏教国でも象の世界では一夫多妻制が許されているらしい。いつもは象使い氏が座る象の頭の後ろに座らせてもらう。いつもと違う感触に、象は耳をパタパタさせて私の裸足の足をくすぐる。象って繊細な生き物なんだなあと、いとおしい気持ちになる。
 ワット・クナラムには20年以上前に瞑想姿勢のまま亡くなった僧侶のミイラ(即身仏)が安置されていた。タイで信仰されている上座部仏教は、出家しないと僧侶になれず、227の戒律を守らなければならない厳しい仏教だとか。食べ物も托鉢によって得たものだけ。それだけに人々の僧侶に対する尊敬は深いようで、ワット・クナラムにも手を合わせる地元の人たちが多かった。同じ仏教でも中国というフィルターを通って日本に入った大乗仏教とはかなり解釈が違うらしい。私のような煩悩の塊は、ただただ「はああ」と感心するばかり。
 夜、賑やかなチャウエンロードに面したレストランで食事。メニューにはイタリアンが多い。そういえば、ツアーガイドがイギリス人の次にイタリア人が多いと言っていたっけ。ホテル近くのフットマッサージで足の疲れをとる。この通りは深夜12時を過ぎてもなかなか眠らない。
 
『4日目:サムイからKLへ』
 チャウエンロードをゆっくり歩いてみる。タイの土産物を扱う店、レストラン、マッサージ店がびっしりと立ち並ぶ。ほとんどがヨーロピアン向けで、マレーシアから来た私には物価が安いとは思えなかった。歩き疲れて一軒のタイマッサージの店に入ってみる。町のマッサージ店は安い。タイ古式マッサージが1時間150バーツ。日本円で言うと450円くらいだろうか。さっきランチで食べたサンドイッチと同じ値段だ。流行には逆らえないらしく、アロマテラピーだと250バーツだとか。2階に通されると床にマットをたくさん敷いた部屋が二つ。男女に分かれるらしい。女子部屋は誰もいなかったので中央に陣取って大の字になる。タイマッサージはハードな場合があると聞いたことがあるので、「Not too hard」と言ってみたら、「イタクナイネ」と返された。ここでも私のジャパニーズオーラが炸裂しているらしい。しばらくするときれいな長い足をした、一見してオカマさんとわかる人が入ってきた。オカマさんは女子部屋に入るのが当たり前のようだ。広い部屋でスペースがたくさん空いているのになぜか私の隣に横たわる。常連らしく、私をマッサージしてくれている人も含め3人でなにやら楽しそうにおしゃべりしている。特に耳障りでもなかったのでうつらうつらしていたら、おかまさんが急に私の二の腕で余っている肉をムニッとつまんでキャハハハハと笑った。どうやら笑いのネタを提供していたのは私だったらしい。どうしてだかわからないが、私も腹も立てずに一緒になって笑ってしまった。そしてしばらくの間カタコトの英語で会話が続いた。オカマと女の間には理屈を超えた不思議な友情が生まれるらしい。旅の疲れもすっかりとれて、帰路に就く。
 サムイ空港はあいかわらずのんびりムード。オープンエアの出国ロビーでゆったりと夕陽を眺めながら出発を待つ。機中、マレーシアとタイは隣同士で陸続きなのにこんなに違うんだなあと考えてみる。日頃は思いもしないことに思いを馳せるために、旅はあるのかもしれない。夕陽が闇に飲み込まれると、飛行機はスバン空港に到着した。空港でトドゥンを巻いた女性職員を見たら「ああ、マレーシアに帰ってきたなあ」となんだかほっとした。
BERJAYA AIR www.Berjaya-Air.com
Tel:03-7845 8382
サムイ島でのホテルセレクトはあなた次第。
   今回は旅の目的に合わせて4つのホテルをご紹介!!
「バンブリー・リゾート&スパ」
Banburee Resort & Spa
 サムイ島の南側、Laem Set Beach に2005年5月オープンしたばかりのスパリゾートホテル。静かにゆったりとホテルステイを満喫したい大人や、二人きりの世界に浸りたいカップルにオススメ。ホテルの敷地は静かな湾を囲むように見下ろし、どこにいても海の存在を感じずにはいられない。朝の蒼く光る海、夕陽に紅く染まる海、満天の星空がこのホテルに滞在する醍醐味。ヴィラ棟からの眺めも美しいが、ハネムーンなど大切な時にはビーチフロントのプールに面したコテージを予約したい。また、最新の設備が整っているのも新しいホテルならでは。ベットサイドのリモコン一つで照明、空調、テレビなどのオンオフが自在に出来る。ヴィラ棟にはジャグジーバスが、コテージにはアウトドアシャワーとタイ式シャワーがあり、バスタイムも充実。レストラン「The Curve」 はタイ伝統料理からインターナショナルまで幅広くカバー。ホテル自慢のスパは多彩なメニュー。なかでも人気はアロマテラピーで、ホテルステイのリラックス度アップに欠かせない。島の中心地からは離れているが、チャウエンロードの中心地へのシャトルバスを運行している。
Banburee Resort & Spa
www.banbureeresort.com
 
 
「チャバ・カバナ・ビーチリゾート&スパ」
Chaba Cabana Beach Resort & Spa
 チャウエンロードから少し離れているためリラックスしたホテルステイを満喫できる。便利さと落ち着きの両方を希望するバランス派にオススメしたい。客室はアボリジニスタイルの民族調デザイン。客室はバスルームに貝殻をあしらうなどポップでナチュラルな個性的空間だ。人気の「ヘヴェナ・スパ」ではタイ古式マッサージ・アロマテラピーマッサージの他、各種メニューを用意。ビーチフロントのレストラン「Copa Cabana」 では、新鮮なシーフードの他、ブッフェ、シェフのオススメ、イタリアンなどメニューが日替わりになっており、長期滞在でも飽きないよう配慮されている。全体的にゆったりしていて、子供連れのファミリーや旅慣れない人でもリラックスできる雰囲気。チャウエンロードの中心地へのシャトルバスサービスやインターネットコーナー、ミニマート、ゴルフ練習場なども完備。フロントには無料の絵葉書が用意してあるという細かい心配り。


Chaba Cabana Beach Resort & Spa www.chabanet.com
 
 
「チャバサムイ・リゾート」
Chaba Samui Resort
 サムイ島で最も賑やかなチャウエンロードのやや南に位置するリゾート。カジュアルで気取らない滞在をしたい人におススメ。客室棟はチャウエンロードを隔ててビーチサイドとレイクサイドに分かれている。ホテル内には手頃なマッサージセンターやベーカリーショップなどもあり、アットホームな雰囲気。チャウエン北端にある姉妹ホテルのチャバ・カバナとはシャトルバスで結ばれており、それぞれの施設を共用することも可能。 プールサイドのレストラン「テラスコーヒーショップ」はいつも活気で溢れている。ホテルを一歩出れば、賑やかなチャウエンロード。ショッピングや外食にもとても便利な立地だ。車やバイクのレンタルも行っており、島内観光やオプショナルツアーなどアクティブに動き回るのに最適。

Chaba Cabana Beach Resort & Spa www.chabanet.com
 
 
「チャウエン・リージェント・ビーチ・リゾート」
Chaweng Regent Beach Resort
 1990年のオープン以来、チャウエンエリアを代表するリゾートとして多くのリピーターに愛され続けているホテル。便利さとハイクオリティなホスピタリティを希望する人におススメ。花や緑に囲まれた敷地内にはボードウオークが張り巡らされ、自然な雰囲気の中で過ごすような開放感を与えてくれる。客室はビルタイプのヴィラ棟と、戸建て風コテージの2種類。室内はハイセンスなファブリックを配した落ち着いたインテリア。ロイヤルスイートにはジャグジーが備え付けられ、ゴージャスな空間となっている。ブールサイドの「エスケープスパ」はゆったりとした個室が特徴。色とりどりの花とアンティーク調の家具がリラックスタイムをさらに演出してくれる。また、ヨガのクラスやフィットネススペース、ヘアサロンも完備。アウトドアレストラン「チョムタレイ」はシーフードが自慢。チャウエンロードに面した「レッドスナッパー」はお洒落なヨーロッパ人でいつも賑わっている。

Chaweng Regent Beach Resort www.chawengregent.com 
<本稿は日馬プレス第306号(2005年9月16日)に掲載されたものです。>
     
 
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