このイベントにはダイバー270人が参加し、一斉に海に潜ってそのようすを見守った。ダイバーはマレーシアの海上警察やダイバークラブのメンバーなどからなり、外国人も30人ほど含まれていた。黒いダイブスーツに身を包んだ男たち、女たち総勢270人が海に向かって立つ姿は壮観。気迫がみなぎり、みているこちらまで、海を守るぞと力こぶしを上げたくなってしまう。軍国少年みたいに。こういう単純で衝動的な賛同は方向を間違えれば危険きわまりないだろう。そして、感情だけの行動がどんなに脆いか。論理が伴わなくてはならないのはわかる。けれど、やはりなんらかの感情が伴わないと行動の1歩は踏み出せないものだ。こころが動き、人が動き、ものが動く。それをどう継続させていくか。
島の人々の間でも、海を保護していこうという意識が芽生えているらしい。島の人が、「この黒っぽい魚はとってもおいしいんだけど、ここでは勝手に採ってはいけないよ。海を守るために禁止されているのでこの魚は魚屋さんで買う。他の魚より断然おいしいから値段も高いんだ。でも僕達は絶対に採らないよ。ああ、うまそうだ、うまそうだ。」と言って舌なめずりしていた。目の前においしい魚がいるのにそれを採って食べられないのは理不尽なことだとは思ったが、私たちはこれまで、好き勝手に自然を利用し破壊してきてしまったのだ。 |