2008年世界平和度ランキング。
マレーシアは上位に
  渡邉明彦
   
 
   英誌エコノミストの調査部門が世界140カ国を対象とした「平和度指数」が、5月22日に発表された。
 日本は昨年に引きつづき5位だった。治安の悪化、以上犯罪の増加が感じられるが、日本は北欧諸国、ニュージーランドなどとともに、世界でもっとも平和な国と認められているようだ。アジアでは香港、オーマンシンガポールが上位にランキングされているが、特筆すべきはヒマラヤ山脈の小国ブータンが昨年19位、今年も26位にいることだ。人間が生きるということの意味を考えさせられる例だ。オーストラリア、シンガポールは順当な位置だろう。
 ヨーロッパのフランスとイギリスが予想を超えて低い位置にいるのは、移民問題や中東支援問題があるからだろう。オーマン、カタール、アラブ首長国連邦など一部のアラブ諸国の平和度が高いのは評価すべきだ。
 マレーシアは二大国の間にある。日本人の中高齢者がロングスティの目的地として考える人気の通りにオーストラリアとマレーシアの二国の平和度は高い。タイとフィリピンは140か国中110位台と評価されている。政権が不安定であり、凶悪犯罪に巻き込まれる可能性があるのでやむをえないだろう。

2007年度
1位 ノルウェー
2位 ニュージーランド
3位 デンマーク 
4位 アイルランド
5位 日本
6位 フィンランド
7位 スウェーデン 
8位 カナダ 
9位 ベルギー 
10位 ポルトガル 
19位 ブータン       
22位 オーマン          
23位 香港            
25位 オーストラリア
29位 シンガポール       
30位 カタール        
32位 韓国          
34位 フランス        
35位 ベトナム          
36位 台湾           
37位 マレーシア          
38位 アラブ首長国連邦      
49位 イギリス
60位 中国
61位 リビア
78位 インドネシア
85位 カンボジア
96位 アメリカ
97位 イラン
100位 フィリピン
105位 タイ
108位 ミャンマー
109位 インド
118位 ロシア
119位 イスラエル
120位 スーダン
121位 イラク
2008年度
1位 アイスランド
2位 デンマーク
3位 ノルウェー
4位 ニュージーランド
5位 日本
11位 カナダ
23位 香港
24位 オーマン
26位 ブータン
27位 オーストラリア
29位 シンガポール
32位 韓国
33位 カタール

36位 フランス
37位 ベトナム
38位 マレーシア
42位 アラブ首長国連邦
44位 台湾
45位 クウェート
49位 イギリス
51位 ラオス
67位 中国
68位 インドネシア
91位 カンボジア
97位 アメリカ
105位 イラン
107位 インド
113位 フィリピン
118位 タイ
126位 ミャンマー
133位 北朝鮮
136位 イスラエル
137位 アフガニスタン
138位 スーダン
139位 ソマリア
140位 イラク

  ちなみに今年3月にEconomist Intelligence Unit(EIU)の発表した世界167カ国の民主主義成熟度のランキングを見ると、平和度とは異なる様相を呈する。
 上位ベスト10の中はスウェーデンなどヨーロッパ北部の国々がずらりで8位にオーストラリアが登場する。アメリカ17位、日本20位、イギリス23位、フランス24位とつづいている。アジアでは日本につづいて韓国が31位、台湾32位で、意外と上位にあるのがインドで35位だ。東南アジアの主要国は63位のフィリピンから90位のタイまでの間で、マレーシアは81位だった。当然のことながら共産主義諸国、元共産主義国の民主主のレベルは低く、ロシアの102位から中国138位、ベトナム145位、北朝鮮167位(最下位)となっている。下位にはアラブや中央アジアのイスラム国家と、アフリカ諸国も多く含まれている。
 平和度では高い評価だったブータンは、民主主義度では147位と低迷した。軍政による圧政がつづいているミャンマーも163位と超低空飛行だった。マレーシアやブータンが平和度では上位にあるのに、民主主義成熟度では下位になるのは、民主主義成熟度の基準が欧米のものだからだろう。
 欧米先進国から見れば、王族とその取りまきが国家の富を独占しているような中東アラブのイスラム国家や、独裁的な大統領が支配する旧ソ連やアフリカ諸国、共産党による一党独裁国家は信じられない状況なのだろう。
 マハティール前首相が言っていた「アジアにはアジアの民主主義がある」、欧米の価値観が絶対的な真理ではない。国家が国民の意思を受け入れ、国民に平和で安全な生活を提供し、国民がそれに満足していれば、それが「いい国」、「住みやすい国」である証ではないだろうか。
     
 
   
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