『東西南北』新たにWEB版として登場

自称天才麻雀師が綴る『東南西北(トンナンシャーペー)』
渡邉明彦

 

まず、改題の言い訳
 わたしは自分は麻雀の天才だと信じています。オーストラリアでも、ここマレーシアでも、強いがゆえに誘いがかからなくなってしまったのはほんとうです。麻雀が強い人と弱い人の違いは、五回やって三回以上勝つか、二回以下しか勝てないかだ。うしろで見ていて、「なんでそんな牌を切るの」、「そんな牌を捨てたらだめ」、「待ちが悪すぎるよ」と思わず叫びたくなる初心者でも勝つことができるのは、ふつうの打ち手や上級者のもつ常識を無視しているからだ。「そんなの読めないよ」と何度なげいたことか知れません。それでも勝ってしまう。そんな昔がありました。
 大好きだった麻雀をやらなくなって数年。親指と人差し指の指先に未練は残っている。老兵は死なず。ただ消え去るのみの心境になっています。
 『日馬プレス』に連載していた『東西南北』を書いていた頃は、「どうせ、だれにも読んでもらえないだろ」という投げやりな気持ちが半分ありました。「(渡辺の)考えは偏っている」、「理屈は分かるけど強烈すぎる」と批判されるに違いないと信じていました。「いやな奴だ」、「気に食わない」と後ろ指を指されたり、石をぶつけられたりするんじゃないかと思っていました。
 危ないから人相を変えようと思って髭をのばしてみたら、似合うという人は少なくて、娘のいう「汚い」に代表される悪評が大勢を占めています。「どうせ、なにをしても悪口を言われるんだから、いいたい奴には言わしておけ」という境地になっています。目指すは諸葛亮孔明、三国史にでてくる聡明な軍師です。
 最近、子供たちと柔道をやっていると、髭を引っぱろうとするのがいて困っています。食事のときには髭が邪魔でしかたがありません。ただ、ほんのわずか、わたしの髭がかっこいいと言ってくれる人がいて、その言葉が耳に残っている間は意地でも延ばしていようと思う今日この頃です。
 気がつくと、ほんのわずかですが、「『東西南北』、おもしろかったのに」とか、「なんでやめたんだ」という涙が出るほどありがたい評価をしてくれる人がいると聞いて、ひどく感激して「もう一度書いてみようかな」と思い立ってしまったのです。
 というわけで、ほんの少しの読者のために、いや、自己満足のために、『東西南北』を再開しようと思い立ちました。しかし、一度は連載休止を宣言した以上、「人生いろいろ、コラムもいろいろ」と軽薄にごまか さないで、タイトルを天才麻雀師らしく『東南西北(トンナンシャーペー)』に改めて、言いたい放題、書き放題、お届けします。
     
 

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