一方向ずつ通す信号システムは効率的か?

 マレーシアの信号システムは多くの場合、四方向を一方向ずつ通すようになっている。だから、一度赤信号に変わってしまうと、次の青信号になるまで5分以上待たなければならない。交通警官の手信号のときも同様に一方向ずつ通している。この場合は、一度ストップしてしまうと10分は待たされてしまう。外国人には「不思議だなあ」と思える信号システムなのだ。
 この原因は、一歩通行と右折禁止が多いために、右折できる交差点が極端に少ない。したがって、その交差点には右折車が大量に流入する。だから、一方向ずつ通さないと処理できないのだ。
 効率的かどうかは、前項の『一歩通行と右折禁止だらけで渋滞は解消?』と複雑にからみ合ってしまうので、何とも言えない。
 ただ、運転者の心理には悪い影響がある。アポイントの時刻を守ろうと焦っても、運が悪ければ10分間待たされてしまうのだ。これが「マレーシアン・タイム」を発生させる原因の一部ではないだろうか。少なくとも、仕事上の効率には悪い影響を与えるし、大袈裟に言えば、経済の活性化にも影響がないとはいえない。
 警官の手信号で問題点が二つある。そのひとつは、非常に重大なことだが、交通警官の健康被害を考えるべきだということだ。膨大な交通量の交差点で、しかも、整備不良のバス、タクシー、ローリー(貨物車)の多い交差点で、窒素酸化物、亜硫酸ガス、微粒粉塵を何時間も吸い込んでいれば、絶対的に健康に悪影響がある。肺癌になったらどうするのだろう。生命を賭けて交通整理。何とかしてほしいと思う。
 もうひとつは、各方向の車の量、列の長さを把握するのが難しいことだ。時々、一方向だけが大渋滞になり、他の三方向はガラガラということがある。何とかしてほしいと思う。

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本稿は日馬プレス第269号(2004年3月1日)に掲載されたものです。