バイク族は家族と共に生き、そして

 大人2人乗りバイクかと思ったら、大人の足の間に、子供の足が見えることがある。3人乗りだ。もちろん、4人乗りだって日常的だ。真ん中の子供はアンコ状態になってゼイゼイ言っている。

 マレーシアの人たちは家族を大切にする。家族と一緒に行動する。子供が病気にでもなろうものなら、お父さんもお母さんも一緒にクリニックに行く。おじいちゃん、おばあちゃんが一緒のこともある。家族のだれかが飛行機で旅行するときには、一族郎党で飛行場に見送りに行く。会社のことなんか気にしていない。日本人が忘れてしまった美徳、家族への愛情だ。

 そして、親しいもの同士は身体と身体をふれあっているのがふつうだ。スキンシップだ。これも日本人があまり得意ではない分野だ。日本人は、子供が幼いうちは泥愛し、絶対に叱らないのが親の愛情だと思っているのかも知れない。十代の中頃になると、気がついたら子供は親とは別の世界の住人になっているということがある。
 
 

 まあ、そんなことはどうでもいい。とにかくマレーシアのひとは、家族を大切にし、スキンシップを絶やさない。だから、何がなんでも一緒に行動する。多少無理でも、多少危険でも家族の絆のほうが大切なのだ。
 わたしたち日本人は「安全に何ごともなく」をもってよしとする傾向にある。守りを優先に考えてしまう。だから、「怖くないのかな」と感じてしまうのだ。彼等は「怖くない。幸せなのだ」ということを忘れてはいけない。

目次へ戻る


本稿は日馬プレス第272号(2004年4月16日)に掲載されたものです。